2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポドサイトはいかにして傷害を克服するのか-細胞間接着装置の役割-
Project/Area Number |
17590822
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
矢尾板 永信 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (00157950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 格 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30092737)
田中 憲一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10126427)
吉田 豊 新潟大学, 医歯学系, 講師 (40182795)
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Keywords | 腎臓 / 糸球体 / ポドサイト / コネキシン43 / クローディン / ZO-1 / ギャップ結合 / タイト結合 |
Research Abstract |
ポドサイトの傷害に対する反応を理解するため、ポドサイトの細胞間接着装置に注目して解析した。 1.培養系でのポドサイト傷害アッセイ系の確立: (1)ポドサイト初代培養:磁気ビーズを腎動脈より灌流し、腎皮質を細切した後、コラゲナーゼで消化、メッシュを通してさらに腎を細かくした。この組織片から磁石で糸球体を集め培養を試みたところ、およそ5×10^5のオーダーのポドサイトを得ることができた。これにより、定量的な実験に用いることのできるの数の初代培養ポドサイトを得ることが可能となった。 (2)細胞傷害モデル:活性酸素の産生によって細胞を傷害するmenadioneを上記のポドサイト初代培養細胞に作用させて検討を行った。50μM以上の濃度で30分以内に高度に細胞傷害を惹き起こしてくることが分かった。 (3)ポドサイト初代培養への遺伝子導入:ポドサイト傷害時に最も早く著明に増加してくるのがコネキシン43(Cx43)である。このCx43をsiRNAで抑制した。DNAの導入試薬としてTransITを用いた。これにより、約4日間90%のCx43遺伝子発現を抑制できた。Cx43遺伝子抑制したものとしないもので、menadione傷害による細胞生存の差をみたが、差を示すことはできなかった。 2.ポドサイトの細胞間接着構成成分の同定: ポドサイト傷害時の普遍的な形態学の変化として、ギャップ結合、タイト結合の形成がある。そこでCx43を中心に糸球体の膜画分の精製を行い、一元電気泳動でクローディンの分子量に相当する部位を切り出し、LC-MSMSにかけた。その結果、クローディン5,6,15を含む複数の分子を同定できた。さらに、特異抗体を用いることによって、クローディンファミリーのうち6を含む複数のものがポドサイトに存在することが明らかとなった。 以上の結果より、ポドサイト初代培養系とその細胞傷害のアッセイ系を確立することができた。また、ポドサイトのタイト結合の構成分子をはじめて同定することができた。
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Research Products
(2 results)