2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタシンを標的とした食塩感受性高血圧症の診断および新規降圧薬の創薬
Project/Area Number |
17590834
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
北村 健一郎 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (10304990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 公夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (40114772)
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Keywords | ナトリウムチャネル / セリンプロテアーゼ / プロスタシン / 高血圧 |
Research Abstract |
1.プロスタシン過剰発現動物モデルの作成 ヒトのプロスタシンcDNAをRSVプロモーターの支配下においたコンストラクトをFVBマウスの受精卵に注入し、トランスジェニックマウスを作製した。3ライン完成し、現在血圧の変化やNa代謝についての詳細を検討中である。 また、ヒトのプロスタシンを発現するアデノウイルスベクターを作製し、ラット腎臓局所に投与したところ、投与後7日目より血圧が有意に上昇した。7日目の観察ではコントロールラットが100mmHg程度であるのに対し、プロスタシン過剰発現ラットでは130mmHg程度まで上昇していた。骨格筋や心臓、肝臓などに局所投与しても血圧は上昇しなかった。このことから腎臓でのプロスタシンの過剰発現が血圧の上昇に重要であることが示唆された。さらに血漿アルドステロン濃度がプロスタシン過剰発現ラットにおいて有意に上昇しており、これに呼応して血漿レニン活性は有意に低下していた。副腎を摘出するとアルドステロン濃度が低下するため、アルドステロンの産生部位は副腎であることが明らかとなった。アンジオテンシンII受容体拮抗薬はプロスタシンによる血圧の上昇とアルドステロン濃度の増加を抑制しなかった。このことはプロスタシンがアンジオテンシンII非依存的にアルドステロンを上昇させ、血圧を上昇させることを示唆するものである。 現在、この血圧上昇メカニズムを上皮型Naチャネル阻害剤であるアミロライドやミネラロコルチコイド受容体拮抗薬であるエプレレノンなどにより、さらに詳細に薬理学的に解析中である。
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