2006 Fiscal Year Annual Research Report
腎間質線維化の進展におけるビタミンDの役割に関する研究
Project/Area Number |
17590838
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
塩井 淳 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90260801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石村 栄治 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助教授 (20145775)
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Keywords | ビタミンD / ビタミンD受容体 / Wntシグナル / 腎間質線維化 / 片側尿管結紮 / ネフロトキシン腎炎 / マクロファージ / 半月体形成性腎炎 |
Research Abstract |
(in vitroでの研究) Wntシグナルのepithelial-mesenchymal transition (EMT)における役割を明らかにするため、ヒト近位尿細管上皮細胞株(HK-2)におけるWntシグナルに関わる種々の分子の遺伝子発現をRT-PCRで検討した。Wnt5a、 Wnt5b、 Dickkopf-1(Dkk1)、Low density lipoprotein receptor-related protein 5(LRP5)、LRP6の発現が確認された。Vitamin D receptorがWntシグナルに影響を及ぼすことが明らかにされおり、vitamin DがWntシグナルに対する作用を介して尿細管上皮細胞のEMTの抑制に関与する可能性が示唆された。今後、その詳細な機構にっいて検討する予定である。 (in vivoでの研究) 片側尿管結紮(UUO)モデルによる検討:VDR欠損マウスでは腎間質へのマクロファージの浸潤が野生型マウスに比して著明に増加することに加えて、腎間質における1型コラーゲンの沈着が野生型マウスに比し亢進していることが免疫組織学的に明らかにされた。さらに、VDR欠損マウスのUUO腎におけるI型コラーゲン遺伝子の発現が野生型マウスUUO腎に比較して有意に上昇していることが証明された。したがって、UUOによる腎間質線維化の進展にVDRが関与している可能性が示唆された。 ネフロトキシン腎炎モデルによる検討:VDR欠損マウスおよび野生型マウスにネフロトキシン(nephrotoxic serum : NTS)による半月体形成性糸球体腎炎を誘発し、NTS投与後45日までの腎間質線維化過程を解析した。VDR欠損マウスでは、野生型マウスに比して血清BUNの著明な上昇とともに高度の腎間質線維化が認められた。したがって、腎炎後の間質線維化過程においてもVDRが重要な役割を果たしていることが示された。
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Research Products
(4 results)