2007 Fiscal Year Annual Research Report
腎間質線維化の進展におけるビタミンDの役割に関する研究
Project/Area Number |
17590838
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
塩井 淳 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 講師 (90260801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石村 栄治 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (20145775)
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Keywords | ビタミンD / α-smmoth muscle actin / E-cadherin / ビタミンD受容体 / klotho / siRNA |
Research Abstract |
(1)ヒト近位尿細管上皮細胞株(HK-2)における検討 HK-2細胞におけるklotho遺伝子の発現に対するTGF-βおよび活性型ビタミンD3(1、25(OH)2D3)の作用を検討した。 1、25(OH)2D3はklotho遺伝子の発現を用量依存的に上昇させた。一方、TGF-β(3-10ng/ml)はklothoの発現を有意に低下させた。また、TGF-βの抑制作用は、SB203580の同時添加により完全に阻害されたことから、p38MAPKを介する可能性が示唆された。さらに、1、,25(OH)2D3はTGF-βによるklothoの発現抑制作用を有意に阻害した。次に、HK-2細胞におけるKlotho遺伝子の発現をsiRNAにより抑制したところ、TGF-βによるE-cadherinnの発現抑制作用が有意に増強されたが、TGF-βによるSNAILの発現誘導には影響を及ぼさなかった。したがって、TGF-βによるEMTの誘導機構にklothoが関与しており、1、25(OH)2D3はklotho遺伝子の発現調節を介してTGF-βの作用に拮抗する可能性が示唆された。 (2)ラット近位尿細管上皮細胞株(NRK-52E)における検討 NRK-52E細胞においてTGF-βによるEMTの誘導におけるVDRの役割を検討した。NRK-52E細胞におけるVDRの発現はTGF-β(1-5ng/ml)の添加により用量依存的に増加した。ヒトVDR遺伝子を過剰発現させたNRK-52E細胞においてTGF-βによるE-cadherin発現抑制作用およびα-SMA発現誘導作用は、コントロールベクターを導入した細胞と比較して有意な差を認めなかった。1、25(OH)2D3のTGF-βに対する拮抗作用はE-cadherinの発現においては明らかな差を認めなかったが、α-SMAの発現に関してはVDRの過剰発現系において有意に増強された。したがって、TGF-βによるEMT誘導機構においてビタミンDはVDRを介してその調節に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)