2005 Fiscal Year Annual Research Report
アクアポリン-2水チャネルの転写調節と細胞内トラフィッキングの特異性
Project/Area Number |
17590841
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
石川 三衛 自治医科大学, 医学部, 教授 (70112620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
為本 浩至 自治医科大学, 医学部, 講師 (90292630)
船山 大 自治医科大学, 医学部, 助手 (40296116)
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Keywords | バソプレッシン / アクアポリン-2 / 浸透圧 / 転写調節 / プロモーター活性 |
Research Abstract |
我々のこれまでの研究で,アクアポリン-2(AQP-2)プロモーター内には、高浸透圧に反応してAQP-2遺伝子の制御に関わる部位が存在する。この浸透圧反応部位はアルギニンバソプレッシン(AVP)と独立してAQP-2遺伝子を調節する。本年度の研究では,低浸透圧刺激がAQP-2プロモーター活性に直接影響するかについて検討を行った。マウスAQP-2遺伝子5'上流-1.1kb遺伝子(-1.1AQP2)と-6.1kb遺伝子(-6.1AQP-2)をPGL3 basic vectorのルシフェラーゼ(LUC)遺伝子上流に組み込み,これをリポフェクタミン法にてIMCD_3細胞に導入した。低浸透圧培地(225mmol/kg)に細胞を孵置し、LUC活性を測定した。さらに、プロモーター遺伝子をAQP-2遺伝子とともにIMCD_3細胞に共発現して、cAMPへの反応性を含めたLUC活性の変化を検討した。-6.1AQP2単独を導入した細胞では,低浸透圧培地にて48時間孵置した際のLUC活性は165.4%と活性が有意に上昇した。しかし,-6.1AQP2とAQP-2遺伝子を共発現させたところ,225mmol/kg培地孵置でのLUC活性は対照浸透圧培地と差違がなかった。5μM Dibutyryl cAMPで24時間刺激すると,LUC活性は対照浸透圧培地では225.4%と増加したが,低浸透圧培地では127.4%とその増加は有意に抑制された。同様の結果は-1.1AQP2でも認められた。これらの結果から,マウスAQP-2遺伝子-6.1kbまでの上流(恐らく-1.1kb内)には、低浸透圧でcAMPによるAQP-2の転写活性の反応性低下が認められる。しかし,プロモーター単独ではLUC活性が賦活されるが,これはおそらく細胞内外の浸透圧隔差によってAQP-2プロモーター活性が賦活されるものと想定される。本研究では,低浸透圧下におけるcAMPによるAQP-2プロモーター活性の減弱が、in vivoで示唆されたAVP過剰下のAVP escape現象に関わる可能性が考えられる。
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Research Products
(7 results)