2005 Fiscal Year Annual Research Report
腎障害進展におけるコラゲナーゼとゲラチナーゼの役割の検討と治療への応用
Project/Area Number |
17590844
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
篠村 裕之 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00235293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 保典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00115221)
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Keywords | コラゲナーゼ / ゲラチナーゼ / 腎障害 / ネフローゼ症候群 |
Research Abstract |
【目的】マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)ファミリーに属するコラゲナーゼやゲラチナーゼは細胞外基質蛋白の分解を司る酵素であるが、増殖因子の活性化、遊走の促進等、他の多彩の役割を担っており、その病態生理学的意義については未だ不明な点が多い。本研究では実験的巣状糸球体硬化症・ネフローゼ症候群モデルにおけるMMP抑制の影響を検討することを目的とした。 【方法と結果】雄性FVB/Nマウスを4群に分け、アドリアマイシン(20mg/kg iv)を投与した。第1群と第3群は無投薬とし、第2群と第4群はMMP抑制薬であるdoxycycline hyclateを投与した。血圧と尿中アルブミン排泄量を経時的に測定し、第1・2群は投与4週後、第3・4群は投与8週後に屠殺し、血液検査(BUN、Cr)ならびに腎臓の病理学的変化を検討した。アドリアマイシン投与2週間後には既に高度のアルブミン尿の出現が見られ、4週間後には巣状糸球体硬化と腎機能障害を認めた。非特異的MMP抑制薬であるdoxycycline hyclateを投与した群では2週間の時点で既に蛋白尿の悪化を認め、4週後・8週後は糸球体硬化の悪化を認めた。BUN・Crも有意に増加していた(Cr (8 weeks) : Control 0.08±0.01, Doxy 0.12±0.01mg/dl, P<0.01)。 【結論】MMP抑制は糸球体硬化症に伴うネフローゼ・糸球体硬化・腎機能低下を悪化させる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)