2006 Fiscal Year Annual Research Report
腎障害進展におけるコラゲナーゼとゲラチナーゼの役割の検討と治療への応用
Project/Area Number |
17590844
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
篠村 裕之 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00235293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 保典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00115221)
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Keywords | コラゲナーゼ / ゲラチナーゼ / 腎障害 / ネフローゼ症候群 |
Research Abstract |
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)ファミリーに属するコラゲナーゼやゲラチナーゼはは基底膜の障害、細胞遊走の促進等、様々な役割を担っているが、個々のMMPの病態生理学的意義について未だ不明な点が多い。本研究では実験的巣状糸球体硬化症・ネフローゼ症候群モデルにおけるMMP-9の影響を、MMP-9欠損(MMP-9 KO)マウスを用いて検討することを目的とした。雄性FVB/Nマウスを4群に分け、アドリアマイシン(ADM 20mg/kg iv)を投与した。第1群と第3群は野生型(WT)マウス、第2群と第4群はMMP-9 KOマウスを用いた。第1・2群は投与4週後、第3・4群は投与8週後に屠殺し、血液検査(BUN、Cr)ならびに腎臓の病理学的変化を検討した。ADM投与2週間後からアルブミン尿と巣状糸球体硬化を認めた。MMP-9 KOマウスでは4週間の時点でアルブミン尿の有意な改善を認め(WT 5.71±1.40,MMP-9 KO 2.13±0.94mg/mg Cr、p<0.05)、糸球体硬化指数でも同様な傾向を認めた。ADM投与8週間後のCrもMMP-9 KOで低下傾向を示した(WT 0.17±0.01,NMP-9 KO 0.13±0.01mg/dl)。 以上の結果より、MMP-9欠損マウスではWTマウスに比して、アドリアマイシン投与後の蛋白尿・腎障害の発生が抑制される傾向を認めたことより、MMP-9が実験的糸球体硬化症の発症・進展を促進させる作用を有する可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)