2007 Fiscal Year Annual Research Report
腎障害進展におけるコラゲナーゼとゲラチナーゼの役割の検討と治療への応用
Project/Area Number |
17590844
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
篠村 裕之 Keio University, 医学部, 講師 (00235293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 保典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00115221)
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Keywords | コラゲナーゼ / ゲラチナーゼ / 腎障害 / ネフローゼ症候群 |
Research Abstract |
メタロプロテアーゼ1(MMP-1)を所有しない翻歯類ではMMP-13が主たるコラゲナーゼであることが知られているが、腎障害におけるMMP-13の役割は殆ど明らかにされていない。今回、我々が初めて作成したMMP-13欠損(MMP-13KO)マウスを用いて、巣状糸球体硬化症におけるMMP-13の役割を検討することを目的とした。MMP-13KOおよび野生型(WT)(n=60)を8群に分け、アドリアマイシン(ADM20mg/kg iv)を投与し、ネフローゼ症候群を伴う巣状糸球体硬化症を惹起した。第1-4群は投与4週後、第5-8群は投与8週後に屠殺し、アルブミン尿ならびに糸球体硬化スコア、IV型コラーゲンの発現を比較検討した。MMP-13KOマウスでは投与4週後・8週後のいずれのの時点でもアルブミン尿の有意な抑制を認めた(ADM投与後8週でWT 5.71±1.40,MMP-13 KO 2.13±0.94 mg/mg Cr、p<0.05)。また糸球体硬化指数もMMP-13KO マウスで明らかな改善を認め(ADM投与後8週でWT 0.17±0.01,MMP-9KO 0.13±0.01、p<0.05)、IV型コラーゲン発現でも同様な現象を認めた。以上より、MMP-13欠損マウスではWTマウスに比して、アドリアマイシン投与後の蛋白尿・腎障害の双方が抑制されたことより、MMP-13が巣状糸球体硬化症の発症・進展において重要な役割を果たす可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)