2006 Fiscal Year Annual Research Report
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17590849
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
市田 公美 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80183169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細山田 真 共立薬科大学, 薬学部, 助教授 (00291659)
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Keywords | 腎臓 / 尿酸 / URAT1 / 起源 / トランスポーター |
Research Abstract |
ヒトは、腎臓において尿酸の再吸収優位の種である。その再吸収の中心的役割を担っているのが、近位尿細管の管腔側膜に存在するhuman urate transporter 1 (URAT1)である。それは、URAT1の欠損により、著しい排泄亢進型低尿酸血症である腎性低尿酸血症を来すことからも明らかである。本疾患は、日本人に多い疾患であると考えられ、その理由は、URAT1をコードする遺伝子SLC22A12に、URAT1の機能喪失を来す遺伝子変異G774Aのアレル頻度が日本人で高率であるためである。G774Aが多い理由として、ホットスポット、創始者効果、ボトルネック効果や日本の環境において疾患優位性を持っていた等が推定される。今回、ホモ接合体として変異G774Aを持つ腎性低尿酸血症患者31例とコントロールとして健常者49名を用い、日本人にG774Aが多い理由を明らかにするために、G774Aの5'側に650kbまで8個のSNPs、3'側に400kbまで5個のSNPsを、JSNPsデータベース及びdb-SNPデータベースより選択し、検討した。ハプロタイプ推定は、ハプロタイプ-質的表現型関連検定プログラム(PENHAPLO)を用いた。その結果、腎性低尿酸血症患者では、連鎖不平衡が認められ、単一の変異が起源であると推定された。さらに、Haldaneのマップ関数により遺伝的距離を組み換え割合0に変換。原因SNPと任意のマーカーSNPのデータから起源を推定した。その結果、弥生時代に変異G774Aが起きたことが明らかになった。韓国の腎性低尿酸血症の遺伝子解析で日本人の変異と同様な傾向を示していることから、大陸において弥生時代に変異が起こり、日本に渡り、創始者効果により、日本人に高頻度に認めるようになったと思われた。
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