2005 Fiscal Year Annual Research Report
進行性腎障害における活性酸素、一酸化窒素の不均衡の意義解明と治療法開発への応用
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17590852
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
柏原 直樹 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10233701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守田 吉孝 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50346441)
駒井 則夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40368626)
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Keywords | 活性酸素 / 酸化ストレス / 一酸化窒素 / 腎障害 / 高血圧 / 糖尿病 |
Research Abstract |
1)ROS/NO均衡変化を動的に検出、解析するための基盤技術の確立 ROS、NOの実体を蛍光指示薬と通常型共焦点レーザー顕微鏡を用いて組織において直接可視化し検出する方法「in vivo可視化法」を既に確立した。さらに新規導入した2光子励起方式共焦点レーザー走査型顕微鏡(two-photon laser scanning fluorescence microscope)を組み合わせる。2光子レーザー顕微鏡によって生体腎臓において、ROS/NOの均衡変化の3次元的解析、秒単位以下での動的解析、蛍光標識物質を用いて腎微小血管系(糸球体、間質毛細血管)の血流動態も動画として可視化しうる技術も合わせて確立した。 2)疾患腎でのROS/NO不均衡の解析と病態形成における役割の解明 上記方法を駆使して、ラット糖尿病、高血圧モデル、ネフロン数減少時の腎微小血管系におけるROS/NOの均衡変化を空間的、動的に解析した。その結果、いずれのモデルにおいても糸球体のROS増加とNO低下(ROS/NO不均衡)を認めた。同時に腎組織において生じる細胞内情報伝達系の活性化、遺伝子発現変化、転写因子活性化の動態を解析した。 3)ネフロン数減少時の腎微小循環の血流変化と適応機転におけるROS/NO均衡変化の解析 CCDカメラを用いて生体腎における糸球体・間質血流変化を直接観察しうる系を確立している。本系と2光子レーザー顕微鏡とを用い、ネフロン数減少時の腎微小循環系の血流変化を解析した。適応機転として生じる糸球体・腎肥大、及び血管構築変化(リモデリング)におけるROS/NO均衡変化を解析した。ネフロン数1/2減少時には、一過性にROS増加を認めたが、一定時間内に正常値に復した。ネフロン数5/6減少時にはROS増加は持続しており、適応機転としてのリモデリングと適応破綻としての糸球体硬化の分岐点に関わる変化と考えた。
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Research Products
(2 results)