2005 Fiscal Year Annual Research Report
臨床像と病理像(ルーチン+免疫染色+血管超微形態)に基づく筋炎の分類基準の確立
Project/Area Number |
17590863
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 潤 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40260492)
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Keywords | 皮膚筋炎 / 多発筋炎 / 分類基準 / 破壊血管 / tubuloreticular profile |
Research Abstract |
1)筋内鞘血管の超微形態変化の特異性に関する検討 筋炎診断の上での、生検筋の筋内鞘血管の超微形態変化の診断的所見としての意義に関して検討した。臨牀像、筋電図所見、血性CK値、筋病理が筋炎に合致する症例の中から、病理所見でCD8陽性細胞の非壊死筋線維への浸潤を認める診断確実多発筋炎(PM)3例、皮疹を認めるか筋病理でperifascicular atrophyを認める診断確実皮膚筋炎(DM)4例、癌合併筋炎(Ma群)3例、間質性肺炎合併(IP群)2例を検討対象とし、疾患対照として非炎症性神経原性筋3例、血管炎筋3例、脱髄性筋3例を用いた。内皮細胞内tubulo reticular profile(TR)はPMを除く筋炎症例に認め疾患特異性があった。破壊血管(DV)はPMを除く筋炎症例に高頻度で認め、10%以上の出現は筋炎に特異的であった。血管内皮の超微形態変化であるtight junction変化、内皮肥厚、caveolaeの減少、内皮の腫脹、ミトコンドリア数には疾患特異性はなかった。1)血管内皮のTRの存在2)10%以上の血管破壊の存在の2点がPMを除くDM機序の筋炎例に特異的であった。 2)連続生検症例を用いた筋内鞘超微形態変化の診断所見としての意義に関する検討 連続27例の筋炎症例〔皮膚筋炎(DM)7、封入体筋炎(IBM)1、膠原病合併筋炎(CL)5、癌合併筋炎(ML)4、分類不能筋炎(UC:皮膚症状のない筋炎)10〕の筋内血管の電顕観察をおこなった。TRまたは10%以上のDVを認めた症例の頻度はDM6/7,IBM0/1,CL4/5,ML4/4,UC6/10であり、IBMを除く26例中20例(77%)で血管変化が存在しDM機序であった。 筋内鞘血管の超微形態変化がDM機序症例の有力なマーカーとなることが明らかになった。
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