2006 Fiscal Year Annual Research Report
臨床像と病理像(ルーチン+免疫染色+血管超微形態)に基づく筋炎の分類基準の確立
Project/Area Number |
17590863
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 潤 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40260492)
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Keywords | 筋炎 / 分類基準 / 臨床 / 病理学 |
Research Abstract |
従来より用いられたきたBohan分類では、多数の皮膚筋炎(DM)症例が多発筋炎(PM)と診断されている。本研究では病態像に基づく筋炎の分類を提唱することを目的とした。筋炎患者連続126例の筋病理像の検討で、診断度はルーチン染色では21%であったが、MHC-1に対する免疫染色により85%に上昇した。一方、Bohan分類で"多発筋炎'1とされる皮膚症状を欠く皮膚筋炎機序例は免疫染色で血管へのC5b9沈着を確認することで分離が可能であった。筋炎症例12例と対照9例で筋内血管の超微形態観察の結果、内皮細胞内tubuloreticular structureと破壊血管がDM特異的であった。連続26症例の筋炎では、血管変化は81%に認め血管へのC5b9沈着(42%)に比して高頻度であった。筋炎病理診断における免疫染色と超微形態観察の有用性が明らかになった。 臨床像と病理像(ルーチン+免疫染色+血管超微形態)に墓つく筋炎分類の妥当性を、分類群の臨床像および血清サイトカインの特徴より検証した。連続187例を分類して臨床像を比較した。PM群10例(6%)、DM群94例(50%)、タイプ非確定群62例(33%)、筋炎疑い21例(11%)となり、PM群とDM群は臨床像が大きく異なり、発熱、間質性肺炎、膠原病、悪性腫瘍はDM群にのみ認めた。筋炎69例の治療前血清のサイトカイン(GM-CSF、IFN-γ、IL-1b,2,4,5,6,8,10,TNF-a)とDeath receptor(TNF-RI・II、DR-5)のプロファイルでは、DM群ではサイトカインは上昇傾向を示し、PM群はコントロール群との差はなかった。DM群でIL6が有意に高値(p<0.01)であった。提唱分類でのPMとDMは大きく異なる病態であり、提唱分類の有用性が確認された。
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[Journal Article] Severe hypokinesis caused by paraneoplastic anti-Ma2 encephalitis associated with bilateral intratubular germ-cell neoplasm of the testes.2007
Author(s)
Matsumoto L, Yamamoto T, Higashihara M, Sugimoto I, Kowa ll, Shibahara J, Nakamura K, Shimizu J, Ugawa Y, Goto J, Dalmau J, Tsuji S.
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Journal Title
Mov Disord. 31(Epub ahead of print)
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