2005 Fiscal Year Annual Research Report
第16番染色体長腕に連鎖する優性遺伝性小脳変性症関連遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
17590866
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
融 衆太 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (50376711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 欽也 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (30313240)
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Keywords | 16q-ADCA typeIII / 原因遺伝子 / two-hybrid system法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、第16番染色体長腕に連鎖する常染色体優性遺伝性脊髄小脳変性症(16q-ADCA typeIII)の原因遺伝子について解析することである。 16q-ADCA typeIIIは我々が発見・確立させた優性遺伝性脊髄小脳変性症で、これまで、原因遺伝子座の同定(Ishikawa K, et al. Neurology 2000)、物理地図の作製、候補領域の限定化(Takashima M, et al. J Hum Genet 2001 ; Li M, et al, J Hum Genet 2003)を行ってきた。その後、ある遺伝子内に、患者全員に存在し、健常者には認められない、きわめて連鎖不平衡が高い遺伝子のvariationを見出した。この遺伝子は機能も構造も余り知られていない新規遺伝子であるが、細胞骨格に関与することが想定される。このvariationを有する遺伝子の産物について、抗体を作製し患者脳で免疫組織化学的に解析すると、同蛋白は患者小脳Purkinje細胞で特異的に凝集していることが見出され、これを報告した(Owada K, et al, Neurology 2005)。このvariationは患者に特有の唯一の変化であり、16q-ADCA typeIIIの発症の直接的原因であるか、もしくは極めて密接に関連した遺伝子変化であることを報告した(Ishikawa K, Toru S, et al, Am J Hum Genet. 2005)。 以上の様な背景から、本研究の交付期間中に本変化が病因であることを検証している。このvariationを有する遺伝子の産物の特性を調べるために、この蛋白質に相互作用あるいは複合体を形成する蛋白質のcDNAをライブラリーからtwo-hybrid system法を用いてローニングする。 まず、この遺伝子を酵母転写遺伝子につなぎ、融合蛋白質として発現できるbaitプラスミドを構築した。一方、スクリーニングの対象となるヒト胎児脳cDNAライブラリーを酵母転写因子の転写活性化領域につないだものを作成し、baitプラスミドとともにホスト酵母に導入し、発現させた。SD(-HIS)寒天培地上に生育してくる陽性コロニーをスクリーニングし、陽性クローンをもつ酵母細胞からプラスミドDNAの回収を行った。これを、ダイレクトシークエンス法(ABI3100,Applied Biosystem社)を用いて塩基配列解析を行い、この蛋白を同定している。
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[Journal Article] A clinical, genetic, and neuropathologic study in a family with 16q-linked ADCA typeIII.2005
Author(s)
Owada K, Ishikawa K, Toru S, Ishida G, Gomyoda M, Tao O, Noguchi Y, Kitayama K, Kondo I, Noguchi E, Arinami T, Mizusawa H.
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Journal Title
Neurology 65(4)
Pages: 629-632
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[Journal Article] An autosomal dominant cerebellar ataxia linked to chromosome 16q22.1 is associated with a single-nucleotidesubstitution in the 5 untranslated region of the gene encoding a protein with spectrin repeat and Rho guanine-nucleotide exchange-factor domains.2005
Author(s)
Ishikawa K, Toru S, Tsunemi T, Li M, Kobayashi K, Yokota T, Amino T, Owada K, Fujigasaki H, Sakamoto M, Tomimitsu H, Takashima M, Kumagai J, Noguchi Y, Kawashima Y, Ohkoshi N, Ishida G, Gomyoda M, Yoshida M, Hashizume Y, Saito Y, Murayama S, Yamanouchi H, Mizutani T, Kondo I, Toda T, Mizusawa H.
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Journal Title
Am J Hum Genet. 77(2)
Pages: 280-296
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