2006 Fiscal Year Annual Research Report
進行性核上性麻痺PSPの発病に関連する17q21.31領域の遺伝因子の解明
Project/Area Number |
17590867
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高野 弘基 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (80345503)
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Keywords | PSP / MAPT |
Research Abstract |
進行性核上性麻痺(PSP)と皮質基底核変性症(CBD)は、中〜高年期に発症する孤発性の神経変性疾患であり、タウ病理を特徴とする。日本人において、タウ遺伝子領域とPSP及びCBDとの相関を解析し、本領域における遺伝学的危険因子の存在を検討する。PSP32人、CBD10人、非血縁の65歳以上の正常対照群60人からのゲノムDNAを用いた。多型としては、タウ遺伝子の上流約95kbのCRHR1遺伝子内の多型rs7209436[T/C],タウ遺伝子の約30kb上流rs962885[T/C],タウ遺伝子イントロンO rs242557[A/G],イントロンO rs242562[A/6],エクソン4A C482T[T/C],エクソン6 C139T[T/C],イントロン9 C-47A[A/C],タウ遺伝子下流150kbのrs2240756[A/C]をタイピングした。rs962885のTTゲノタイプとrs242562のAAゲノタイプはPSPに相関した(それぞれ、P=0.043オッヅ比=2.51 95%信頼区間1.02-6.20とP=0.007オッヅ比=3.53 95%信頼区間1.4-9.0)。PSPとCBD患者を合わせて(PSP+CBD)解析した場合では、rs242557のAAゲノタイプ、rs242562のAAゲノタイプ、エクソン4A C482TのCCゲノタイプが相関した(それぞれ、P=0.040オッヅ比=2.46 95%信頼区間1.03-5.87とP=0.003オッヅ比=3.64 95%信頼区間1.51-8.72とP=0.018オッヅ比=0.37 95%信頼区間0.15-0.85)。rs7209436およびエクソン6 C139T、イントロン9 C-47A、rs2240756は相関を示さなかった。PSP群またはPSP+CBD群と相関を示した多型は、タウ遺伝子上流のrs962885,タウ遺伝子イントロンO rs242557,イントロンO rs242562,エクソン4A C482Tである。したがって、これらの多型が存在する領域を挟むrs7209436〜タウ遺伝子エクソン6 C139Tまでの約197kbにPSPとCBDの遺伝学的因子が存在すると考えられる。
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