2006 Fiscal Year Annual Research Report
髄液中のα-synuclein濃度を指標とする脳変性疾患の生化学診断に関する研究
Project/Area Number |
17590869
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Research Institution | Shinshu Universuty |
Principal Investigator |
池田 修一 信州大学, 医学部, 教授 (60135134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 洋一 信州大学, 医学部, 講師 (90273086)
兼子 一真 信州大学, 医学部, 助手 (80402105)
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Keywords | Parkinson病 / 多系統萎縮症 / α-synuclein / ELISA / 瀰漫性レヴィー小体病 |
Research Abstract |
Sandwich-ELISA法を用いたα-synuclein蛋白測定系を確立し,ヒト体液における本蛋白測定を行った.対象疾患は,組織学的にα-synuclein凝集が認められるsynucleinopathy,即ちParkinson病,瀰漫性レヴィー小体病および多系統萎縮症の3疾患とした.比較対照疾患は上記以外の変性疾患(大脳皮質基底核変性症,進行性核上性麻痺),末梢神経疾患とした.全症例に対し検査趣旨を説明し同意を得た上で,腰椎穿刺により髄液を採取.細胞成分を取り除き,蛋白測定時まで-80℃で凍結保存した.測定法は2種類の抗体を用いたsandwich-ELISA法を利用し,リコンビナント蛋白を用いて標準曲線を作成し,髄液中α-synucleinを定量した.Synucleinopathyでは他の疾患に比し,本蛋白濃度は有意に低下していた.Synucleinopathyの各々ではParkinson病>多系統萎縮症>瀰漫性レヴィー小体病の順に濃度が低下していたが有意な差は認められなかった.一方,上記対象および比較対照疾患の内,パーキンソニズムを来す疾患に関して補助診断として行った[123I]MIBG心筋シンチグラム検査では,これまでの報告と同様,レヴィー小体関連疾患即ち,Parkinson病と瀰漫性レヴィー小体病で取り込みが低下し,その他の疾患では正常であった.従って,髄液中α-synuclein濃度と[123I]MIBG心筋シンチグラムを組み合わせるこにより,Parkinson病,多系統萎縮症,その他のパーキンソニズムを来す疾患,の3者を鑑別し得ることが示唆された.10〜20例程度の少数例の検討では特異度,敏感度共に80%以上の精度で鑑別することが可能であった.今後,統計的にも有効性を確立するため,症例数を増やし評価を継続する予定である.
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