2006 Fiscal Year Annual Research Report
都城に多発する遺伝性小脳失調症の臨床疫学と原因遺伝子同定
Project/Area Number |
17590885
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大窪 隆一 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50381166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 博 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (80372803)
有村 公良 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (20159510)
松山 航 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (90372804)
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Keywords | 脊髄小脳変性症 / 連鎖解析 / Puratrophin / SCA4 / 16qADCA type III |
Research Abstract |
都城地域の高齢発症の常染色体優性遺伝の小脳失調症は、連鎖解析の結果16番染色体に連鎖することを確認しているため、16q-ADCA type IIIと呼ばれる全国に見られる疾患と、同一と考えられた。遺伝子学的検討では、我々は、2点連鎖解析や家系間のハプロタイプ解析により、1.25MBの範囲に遺伝子座を同定しており、この1.25MBの範囲にある36の遺伝子の解析では、異常を見いだしていない。一方2005年Ishikawaらにより、本疾患の原因の候補としてPuratrophinが報告され、この報告の遺伝子の異常が、南九州地域の小脳失調症についても疾患、の原因になっているか検討した。南九州の全例がPuratrophin 5'UTRのC→Tのmutationを有していた。マイクロアレイ(GeneChip【○!R】)解析では、原因遺伝子候補であるPuratrophin mRNAの発現は、末梢血リンパ球において5'UTRのC→Tのmutationをheterozygousに有する症例においても、homozygousに有する症例においても有意な変化は認めなかった。また、遺伝子異常のhomozugoteにおいても症状は重症ではなく、Puratrophinの異常と疾患の発症に関連は低く、正常多型の可能性が考えられた。我々は同時に、疾病連鎖候補領域の遺伝子のmRNA発現量の評価を行い、いくつかの遺伝子においてmRNAの発現の変化をとらえた。一方、micro deletion/duplicationの同定や、genomeの組み換え異常などについても検討したが、CGHアレイにおいてはこれまでに規定された領域にはPuratrophinも含めて遺伝子の重複や欠失は認めず、micro deletion/duplicationの存在は否定的であった。
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Research Products
(4 results)