2005 Fiscal Year Annual Research Report
HAM発症関連遺伝子作用機構の解析と無症候性感染者における発症リスク評価の試み
Project/Area Number |
17590886
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
齊藤 峰輝 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (40398285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 良尚 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00359978)
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Keywords | ウイルス / 脳神経疾患 / 遺伝子 / 免疫学 / 臨床 |
Research Abstract |
鹿児島大学医学部・歯学部附属病院脳神経センター・神経内科のHTLV-Iキャリアーコンサルテーション外来に来院した無症候性キャリアー(HC)のうち文書による説明と同意を得られた181症例を対象に、HTLV-Iプロウイルス量、HLA-A^*02,Cw^*08,Tax subtype,TNF-863A/C,SDF-1+801G/Aを解析し、HAMリスク計算式(J Infect Dis 186:932-9,2002)に代入してHAM発症のOddsを計算した。カットオフ値はROC曲線から0.78とした。各症例のOddsと臨床症状、抗HTLV-I抗体価、各種免疫学的パラメーターとを比較検討した。検討項目は、性別、輸血歴、血液疾患及びHAMの家族歴、下肢腱反射亢進、腹壁反射の消失、痙性(クローヌス及び病的反射)、1日排尿回数、夜間尿回数、表在リンパ節腫脹、皮膚病変とした。臨床検査値としてLDH及び白血球数、白血球分画を、異型リンパ球、異常リンパ球(ATL様flower cell)、CD4+、CD8+、CD4+CD3+、CD8+CD3+、CD16+CD56+CD3-、CD16+CD56+CD3+についてはその実数及びパーセンテージを算出し、Oddsが高い群(【greater than or equal】0.78)と低い群(<0.78)との間で比較した(Mann-Whitney's U test)。Oddsが高い群(【greater than or equal】0.78)において、低い群(<0.78)に比べて下肢深部腱反射が亢進している症例が有意に高く(OR:2.18,95%C.I.;1.11-4.31,p=0,036)、臨床検査値においても、Oddsが高い群(【greater than or equal】0.78)において、低い群(<0.78)に比べて異常リンパ球数(p=0.011)とパーセンテージ(p=0.010)が高い症例が有意に多かった。我々の計算式はHTLV-Iキャリアーの経過観察、HAM早期発見に有用である可能性が示唆された。
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