2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアゾーム阻害薬によるパーキンソン病モデルマウスの作成と解析
Project/Area Number |
17590889
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
三輪 英人 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (50231626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 智善 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50103891)
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Keywords | proteasome / ubuquitin / mouse / dopamine / substantia nigra / paraquat |
Research Abstract |
当該研究の目標は、マウスにおけるプロテアソーム阻害薬を全身投与することによってパーキンソン病モデルを作成し、かつ最適な作成プロトコルを確立する。さらにマウス脳を免疫組織化学的さらに生化学的解析に解析し、神経細胞変性の機序を明らかにすることを目指している。 昨年度の研究の継続から、実験動物(C57BLマウス)に親油性プロテアゾーム阻害剤(PSI)を高用量(PSI 10-25mg/kg)を投与した場合、パーキンソン病類似の無動状態が惹起されたが致死的となり、低容量だと効果が得られないことから、プロテアゾーム阻害剤による動物モデル作成は容易ではないことが明らかとなった。また、たとえ運動量の減少が明らかに見られたモデルにおいても、約1週間の生存期間中に運動症状が回復し、かつ免疫組織化学的に中脳ドパミン神経細胞の減少やαシヌクレインの凝集も見られなかった。現在も試行錯誤的に、プロテアゾーム阻害剤投与によるマウスのパーキンソン病モデル作成のプロトコル確立を目指した投与実験を続けている。さらに、今年度は、ラットの胃壁内にプロテアゾーム阻害剤を投与すると、延髄の迷走神経背側核の神経細胞内にαシヌクレインの凝集がみられることを見出したので、これを論文にまとめて報告した。これは、環境中の(食物中の)中に存在するプロテアソーム阻害作用を有する物質が、延髄の神経細胞に逆行性に影響を及ぼし言えることを実験的に示唆したものである。
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Research Products
(1 results)