2005 Fiscal Year Annual Research Report
誘導的発現調節アデノ随伴ウイルスベクターを使用した線条体機能の解析
Project/Area Number |
17590890
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
村松 慎一 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10239543)
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Keywords | アデノ随伴ウイルス / 遺伝子治療 / パーキンソン病 / ドパミン |
Research Abstract |
時間的・空間的に導入遺伝子の発現を調整可能なアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを使用して、パーキンソン病のモデル動物の線条体にドパミン合成系の酵素などの遺伝子導入を行い、positron emission tomography (PET)計測を含む解析により線条体の機能を明らかにすることを目的に研究を行った。L-dopaをドパミンに変換する芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)の遺伝子を発現するAAVベクター(AAV-AADC)を作製した。カニクイサルに選択的神経毒MPTPを慢性投与してパーキンソン病のモデルを作製し、片側の被殻にAAV-AADCを注入した。その結果、遺伝子導入前には効果がなかった少量のL-dopaにより、対側上下肢の運動障害が改善しその効果が約3〜4時間持続した。PET計測では、AADC活性を反映する[β-^<11>C]L-dopaの取込みの増加が認められた。黒質ドパミン神経細胞からの神経終末に存在するトランスポーターに結合する[^<11>C]β-CFTと[^<11>C]DTBZ、およびドパミンD2受容体に結合する[^<11>C]racloprideの取込みには変化は認められなかった。改良型エストロゲン受容体と部位特異的Cre-lox P組換え系を使った遺伝子発現調節機構を応用して、合成エストロゲンであるタモキシフエンの存在下にのみCreリコンビナーゼの活性を発揮するAAVベクター(AAV-CreER^<T2>)を作製した。選択的神経毒6-OHDAによるラットのパーキンソン病モデルにおいて、ドパミン合成の律速酵素であるチロシン水酸化酵素(TH)遺伝子をloxP配列で挟んだ状態で組み込んだAAVベクター(AAV-floxed TH)とともにAAV-CreER^<T2>を導入し、タモキシフェンによってTH活性の調整が可能であることを明らかにした(Mol Ther 13:160-166,2006)。
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Research Products
(5 results)