Research Abstract |
Parkinson病(PD)患者が正常の感覚刺激を誤って記憶照合過程で入力し,処理システム上の脱抑制による消去不能がこれを引き起こすことが推測されている.本年度の研究では,刺激変化の神経コードを記憶する過程によって生成され,自動的な,早期の情報処理活動を反映する脳波・脳磁図mismatch negativity(MMN)を応用し,PD患者におけるこれらの異常が,いつ生じ,そして罹病経過,薬物投与経過とともにどのように変遷してゆくかについて解明することへの基礎的準備,検討を行った.本年度(〜平成18年3月31日)は,研究目的,予想される結果を説明しこれに同意の得られたParkinson病患者15名と健常者15名を対照として,前頭葉機能障害の検出に用いられているWisconsin Card Sorting Test, Stroop testなどの心理学的検査法を施行し,PD群においては,罹病期間,重症度,抗PD病薬量などを網羅したデータベースを作成した(田中,穂積). 本年度はパイロット的にPD患者6名を使用し,聴覚性MMN電場の測定を獨協医科大学において行い,MMNは,注意配分を視覚性のものに制限させながら行い,MMN脳地図測定には科学研究費補助金により測定電極数の増設を行った日本光電製マルチチャンネルデジタル脳波計を用いた.MMN電場変動の経時的推定には,スイスチューリッヒ大学開発のLow Resolution Brain Electromagnetic Tomographyを用い脳電場を推定した. 弘前大学医学部神経科精神科で,データ解析の妥当性につき検討がされた.MMN磁場についても,同施設において,204ch全頭型脳磁図(MEG)を用いて予備実験が行われた.平田は以上のMMN電場の結果を統計解析し,データの整合性、信頼性を一部検討した.
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