2005 Fiscal Year Annual Research Report
低圧低酸素室を用いた低酸素応答遺伝子同定と片頭痛原因遺伝子および病態解明への展開
Project/Area Number |
17590899
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
橋本 しをり 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60180824)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 哲治 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50235470)
|
Keywords | 低酸素 / 片頭痛 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
高山病は低圧低位酸素環境(高所)への順応不全の結果生じる可逆的な疾患であり、その発症には遺伝要因が関与する可能性が報告されている。一方、片頭痛は女性に多いcommon diseaseであり、その成因は不明であるが、遺伝要因と環境因子が関与する多因子疾患であると考えられている。本研究の最終的な目的は候補遺伝子アプローチにより片頭痛の遺伝的要因を明らかにすることである。候補遺伝子としては低圧低酸素負荷前後で発現が変化する遺伝子をDNAマイクロアレイにより網羅的にスクリーニングし、変動の大きかった遺伝子を候補とする。 本年度は、最初に低圧低酸素室での低酸素トレーニングを行うことになっている登山者に文書で同意を得た後に、安静状態における低酸素負荷の前後で採血を行い、10K規模のDNAマイクロアレイ「CodeLink」解析により得られたデータをもとに、in vivoで低圧定酸素負荷により変動する遺伝子群(末梢血リンパ球および全血細胞)のリストを作成した。次に、これらの遺伝子群に関して、in vitroでリンパ球に低酸素負荷を行い、in vitroでの低酸素負荷でも同様に変動するか否かを確認する実験を行っている。低酸素負荷は高価なチャンバーではなく、細菌の嫌気性培養に用いる試薬とシャーレを用いて行った。同時にアプライドバイオ社のデータベースとHap-mapプロジェクトデータに基づき、遺伝子多型解析(ケース・コントロール)に必要なSNPプローブを検討している。次年度は、実際に片頭痛患者から採取したゲノムDNAを用いて、候補遺伝子(マイクロアレイ解析で得られた遺伝子リストに基づく)アプローチによる原因遺伝子探索をTaqmanプローブ法により行う予定である
|
Research Products
(1 results)