2005 Fiscal Year Annual Research Report
実験的自己免疫性脳脊髄炎発症と抑制におけるケモカインCCL19/CCL21の役割
Project/Area Number |
17590900
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
垣内 史堂 東邦大学, 医学部, 教授 (40126024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 泰雄 東邦大学, 医学部, 教授 (30130347)
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Keywords | pltマウス / CCL21ケモカイン / CCL19ケモカイン / IL-17 / IL-23 / T細胞 / 実験的アレルギー性脳炎 / 多発性硬化症 |
Research Abstract |
実験的アレルギー性脳炎(Experimental Allergic Encephalomyelitis : EAE)は、多発性硬化症の疾患モデルとされている。我々はケモカインCCL19/21の発現を欠く突然変異マウス(Paucity of Lymph Node T cells : plt)を見出し、免疫反応におけるこれらのケモカインの役割を検討しているが、pltマウスにEAEの誘導を行ってもほとんど発症しないことを見出した。pltマウスではなぜEAEの発症がみられないのか、検討を続けているが、平成17年度には以下のような結果が得られた。 (1)これまでEAEを発症するのは、MOG(Myelin-Oligodendrocyte glycoprotein)ペプチドなどに特異的なTh-1細胞によるとされていたが、ごく最近の報告によると、Th-1でもTh-2でもなく、IL-17を産生するヘルパーT細胞(Th-_<IL-17>)によってEAEは発症する。pltマウスをMOG_<35-55>ペプチドで免疫し、所属リンパ節のT細胞をin vitroで抗原刺激をしてみると、対照マウスでみられるIL-17の産生が認められなかった。 (2)IL-17の産生には、抗原提示細胞によるIL-23が必要とされている。免疫したpltマウス所属リンパ節細胞によるIL-23の産生も低下していた。 (3)CCL21を添加すると、IL-23とIL-17の産生が回復した。 (4)免疫後のpltマウス所属リンパ節T細胞をin vitroで抗原刺激した後に無処置マウスに移入してもEAEを発症することはないが、CCL21を添加して抗原刺激しておいたT細胞を用いると、発症がみられた。 これらの結果から、pltマウスではTh-_<IL-17>の誘導が出来ないこと、この誘導に必要なIL-23の産生が低下していることが判明した。
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Research Products
(3 results)