2005 Fiscal Year Annual Research Report
ポリグルタミン病の分子機構の解明と分子シャペロン誘導薬による予防と治療の研究
Project/Area Number |
17590903
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
畑山 巧 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (10094484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 伸行 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (60298685)
齊藤 洋平 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (90411032)
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Keywords | 脳神経疾患 / 熱ショックタンパク質 / Hsp誘導剤 |
Research Abstract |
我々は、熱ショックタンパク質(Hsp)がポリグルタミン(polyQ)病の細胞モデルにおいて伸長ポリグルタミンタンパク質の凝集体形成と細胞死を抑制すること、また非ステロイド性抗炎症剤であるサリチル酸ナトリウム(SA)やインドメタシンがHspを誘導し、かつpolyQ病細胞モデルにおいて強い細胞保護効果を示すことを明らかにしている。(Eur J Biochem.270,3461-3468(2003), Eur J Biochem.271,4552-4558(2004)) 本研究は、さらに強力なHsp誘導物質を得ることを目的として、SAのHsp誘導に必要な官能基について種々のSA誘導体を用いて検討した。その結果、種々のSA誘導体のうち、SAのカルボキシル基を置換したsalicylamide, salicylalcohol, o-acetamidephenolおよびo-nitrophenolは、hsp105プロモーター活性を37℃においてSAと同様に活性化した。一方、SAの水酸基を置換したacetylsalicylic acid, sodium benzoateおよびo-toluic acidは、hsp105プロモーター活性を37℃において活性化しなかった。これらの結果は、SA誘導体の水酸基はHspの誘導には必要であるが、カルボキシル基は必要でないことを示唆する。さらに、これらの化合物の中でHspを強く誘導するsalicylalcoholはpolyQ病の細胞モデルにおいてpolyQタンパク質の凝集とアポトーシスの誘導を強く抑制した。このように、ある種のSA誘導体は神経変性疾患や有害なストレッサーに対して細胞を防御するのに有効であったが、現在さらに有効なSA誘導体を検討中である。
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Research Products
(3 results)