2005 Fiscal Year Annual Research Report
免疫性神経疾患の発病に関わる標的分子の遺伝子異常の研究
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17590905
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
宮本 勝一 近畿大学, 医学部, 講師 (50388526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠 進 近畿大学, 医学部, 教授 (90195438)
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Keywords | 脳・神経 / 抹消神経 / 遺伝子 / 免疫学 / 自己抗体 |
Research Abstract |
自己免疫性神経疾患として慢性炎症性脱髄性神経炎(chronic inflammatory dymyelinating polyneuropathy : CIDP)と多発性硬化症(multiple sclerosis : MS)を選定し、計画に従って承諾の得られた患者さんから、血液サンプルを採取した。まず最初に髄鞘蛋白に対する抗体価の測定を試みた。CIDPではperipheral myelin protein-22(PMP22)、PO glycoprotein (PO)、P2 glycoprotein (P2)、Connexin-32(Cx32)に対する抗体価を、MSではmyelin basic protein (MBP)、proteolipid protein(PLP)、myelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)に対する抗体価を測定した。測定方法は、蛋白ペプチドを抗原とするELISA法が簡便であり、最初に試みる方法として最適と考えた。過去の文献から、抗原性が最も高いと考えられる部位を決定し、ペプチドを合成した。患者サンプルの測定に先駆けて、健常者35名(男18名、女17名)の血液サンプルを用いて、正常コントロール値の設定を行った。その結果、いずれの抗体も正常コントロールの平均値±2SD以内のOD値を正常値と設定した。本年度はMS患者のべ90検体の測定を行った。抗体陽性例は、抗MOG抗体IgG2例、IgM2例、抗PLP抗体IgG4例、IgM5例、抗MBP抗体IgG5例、IgM3例であった。CIDP患者は10例の測定を行ったが、すべて陰性であった。現時点ではさらなる症例数の蓄積が必要である。次のステップとして、抗体価と臨床像との関係を解析し、遺伝子異常も含めて何らかの因果関係が無いかどうかを検討する予定である。
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