2006 Fiscal Year Annual Research Report
感覚性ニューロパチーによる痛覚鈍麻の神経再生・栄養因子を用いた遺伝子治療の研究
Project/Area Number |
17590906
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
村上 龍文 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (30330591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂田 芳秀 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00240713)
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Keywords | 糖尿病性ニューロパチー / 感覚性ニィーロパチー / 遺伝子治療 / 電気穿孔法 / 痛覚鈍麻 / VEGF / PIGF2 / Neuropilin-1 |
Research Abstract |
#1.PIGF2遺伝子治療での痛覚鈍麻改善機序の解明 1.末梢神経有髄線維や神経内膜血管の形態学的変化が関与しているか 痛覚鈍麻を有する糖尿病マウスと、PIGF2遺伝子治療を行い痛覚鈍麻を改善させた糖尿病マウス、正常マウス3者の坐骨神経をトルイジンブルーで染色し、有髄神経線維や神経内膜血管を観察した。まず正常マウスに比し糖尿病マウスでは有髄神経線維の脱落や血管数の有意な減少は認めなかった。またPIGF2遺伝子治療糖尿病マウスでも有髄神経線維の変化はなく血管数の有意な増加はなかった。これらの結果より痛覚鈍麻を有する糖尿病マウス末梢神経は形態学的には正常で、末梢神経の機能異常により痛覚鈍麻が生じいる可能性が示唆された。またPIGF2遺伝子治療ではこの機能異常が改善されたと考えられた。 2.neuropilin-I受容体からのどのようなシグナル伝達経路が重要か 痛覚鈍麻を有する糖尿病マウスにPIGF2遺伝子治療を行い痛覚鈍麻を改善させた後、その後根神経節mRNAをDNAマイクロアレーで約32000の遺伝子を解析し、昨年同定した痛覚鈍麻を有する糖尿病マウスと正常マウスの後根神経節で発現差がある遺伝子群と比較した。その結果痛覚鈍麻を有する糖尿病マウスで変化していた約200の遺伝子発現が治療後正常化しており、その中にはSema3A細胞内情報伝達系も含まれていた。 #2.PIGF2による遺伝子治療の副作用の検討 1.遺伝子導入部位(前脛骨筋)の検討 PIGF2遺伝子導入2週後の前脛骨筋をHE染色と免疫染色で調べると、PIGFを発現している筋線維の周囲に単核球細胞の著しい浸潤が見られた。また一部の筋線維間に血管内皮の新生も認められた。 2.全身臓器の検討 まず前脛骨筋と血液中のPIGF2の上昇をELISA法で確認した。次にPIGF2遺伝子導入4週後の肝臓、脾臓を、HE染色で調べたが正常であった。
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Research Products
(1 results)