2006 Fiscal Year Annual Research Report
血管平滑筋細胞応答に対するリポ蛋白中の脂質性シグナル分子の役割の解明
Project/Area Number |
17590914
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
戸村 秀明 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (70217553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡島 史和 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (30142748)
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Keywords | LDL / HDL / リゾフォスファチジン酸 / スフィンゴシン1-リン酸 / 血管平滑筋細胞 / LPA1 / S1P2 / LPA受容体アンタゴニスト |
Research Abstract |
前年度に、低密度リポ蛋白(LDL)中のリゾフォスファチジン酸(LPA)が、平滑筋細胞のLPA1受容体を刺激して遊走、増殖など動脈硬化促進作用を引き起こし、高密度リポ蛋白(HDL)中のスフィンゴシン1-リン酸(S1P)が、平滑筋細胞のS1P2受容体を介して、血小板増殖因子(PDGF)による遊走応答を抑制し、アンチ動脈硬化作用を発揮している可能性を示唆した。本年度は、LDLとHDL中のLPA,S1P量を、我々が独自に開発した定量法を用いて定量した。その結果、HDLに比しLDL中には高濃度のLPAが存在する一方、HDL中にはLDLに比し、高濃度のS1Pが存在していた。この結果は上記可能性を支持する。さらに本年度は、LDL中のLPAをリパーゼ処理により分解、または平滑筋細胞のLPA受容体をアンタゴニストで阻害すると、LDLが平滑筋細胞の遊走を積極的に抑制し、アンチ動脈硬化作用を発揮することを新たに見出した。この抑制作用はS1P2受容体に対するsiRNAで阻害されること。実際に、LDL中にはLPAよりは少ないもののS1Pが存在することから、血管平滑筋細胞の遊走応答に対するLDL作用は、LDL中のLPA,S1P量のバランスと平滑筋細胞に発現するLPA, S1P受容体サブタイプによって決まることが明らかとなった。本年度はさらに、in vivoモデルとしてラット頸動脈肥厚モデルを用いてLPA作用を検討した。現段階ではLPA処理によりはっきりとした傾向が認められておらず、LPAの処理時間、濃度など、さらなる条件検討が必要である。
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Research Products
(6 results)