2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳血内皮細胞から同定された二つの新規遺伝子(BECDG-1,2)の機能
Project/Area Number |
17590916
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
龍野 一郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教授 (80282490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 康 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (50101358)
佐伯 直勝 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (30143275)
野口 義彦 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (40375655)
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Keywords | 脳血管内皮細胞 / 新規遺伝子 / BEC-1 / TUSC5 / 脂肪代謝 |
Research Abstract |
脳血管系は他の血管系と異なり血液脳関門を形成するなどその特異的な形質が脳血管内皮細胞(Brain Endothelial Cell ; BEC)によって制御を受けている。そこでBECに特異的に発現する遺伝子を大動脈内皮細胞とのSuppression Subtractive Hybridization (SSH)を用いてクローニングした脳血管内皮細胞由来遺伝子1(Brain Endothelial Cell Derived Gene-1:BEC-1)について、肥満動物モデルであるZuckerラットを用いて、その組織分布および豊富に分布する褐色細胞組織を用いて寒冷暴露刺激に伴う発現変化を解析した。【材料と方法】SSHにてBECに優位に発現する遺伝子を解析、新規遺伝子配列から腎のテンプレートを用いてRat Marathon-Ready (RACE法)によりクローニングした。推定されるアミノ酸配列から抗体を作成し、ウエスタンブロット法によって蛋白発現を解析した。【結果】BEC1はmRNAの全長3410 base pairでopen reading frameは522、173個のアミノ酸からなると推定された。BEC-1はmouse tumor candidate 5(TUSC5)遺伝子と97%、ヒトLOST1遺伝子と85%の相同性があり、rat TUSC5であると考えられた。RT-PCRによるmRNAおよびウエスタンブロット法により蛋白発現の解析から、BEC-1は全身の諸臓器に発現を認めたが、特に脂肪組織に高濃度で、肥満に伴い脂肪組織で発現の増加が認められた。また、寒冷暴露により褐色細胞でのBEC-1の発現はUCP-1と対照的に減少した。【考察】BEC-1の発現解析から、脂肪代謝の制御に深くかかわっている可能性が示唆された。
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