Research Abstract |
1)2型糖尿病患者の肝に発現する遺伝子のSAGE解析 2型糖尿病患者5名(60±11才,BMI 25±5,HbAlc 8.1±2.0%, ALT29±18 IU/L)および正常肝患者5名(63±12才,BMI 24±5,HbAlc 5.2±1.1%, ALT 28±21 IU/L)のLong SAGE解析により,糖尿病肝および正常肝に発現する遺伝子tagを同定し,教室で蓄積した肝発現遺伝子データベース,BLASTデータベースおよび米国Celera社の提供するゲノム情報のホモロジー検索によりtagがコードする遺伝子とontologyを同定し,出現頻度順にランク付けした.SAGE 2000 software(http://www.sagenet.org/sage_protocol.htm)を用いて,SAGEライブラリー間の発現プロファイルを相互に比較することによって2型糖尿病で発現が亢進または減弱している遺伝子群を同定した. 2)2型糖尿病患者の肝に発現する遺伝子のDNAチップ解析 2型糖尿病患者22名(55±5才,BMI 23±3,HbAlc 7.3±1.7%, ALT 26±10 IU/L)および非糖尿病患者11名(44±15才,BMI 27±5,HbAlc 5.1±0.4%, ALT 77±81 IU/L)の肝生検サンプルよりantisense RNAを増幅し,DNAチップ(Human Genome U133 Plus 2.0 Array, Affymetrix)を用いて解析した.糖尿病群-非糖尿病群間で発現に差異のある遺伝子を,random variance modelを用いたtwo-sample T-testにより選択し,糖尿病の肝で発現が増強・減弱している遺伝子を同定した. 3)2型糖尿病の病態と関連した分泌蛋白をコードする遺伝子の選択 SAGEで抽出した機能未解明の既知遺伝子あるいはESTのうち一次構造解析ソフトP-sortを用いて,シグナルペプチドの有無を検索し,分泌蛋白をコードする遺伝子を同定した.DNAチップで解析した33名の2型糖尿病および正常肝患者の各種病態,すなわちインスリン抵抗性(HOMA指数,およびグルコースクランプ法により求めたMetabolic clearance rate),血糖コントロール(FPG,HbA1c)とDNAチップでの発現量が関連している遺伝子を同定し,国際特許申請した(糖尿病の病態と関連して発現変動する遺伝子群,出願番号2005-125689).
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