2006 Fiscal Year Annual Research Report
膵管細胞を膵β細胞へ分化誘導する遺伝子の同定と生体応用
Project/Area Number |
17590924
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
會田 薫 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (50184015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
針井 則一 山梨大学, 医学部附属病院, シニアレジデント (80377522)
小林 哲郎 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (30113442)
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Keywords | 膵β細胞再生 / 分化誘導 / 膵特異的遺伝子 / 分子生物学 |
Research Abstract |
本研究においては、分化過程にある膵β細胞から得た遺伝子を解析し、膵管細胞をインスリン(Ins)産生細胞へと分化誘導する遺伝子を同定し、最終的にそれを生体膵に応用することにより、生体膵でのβ細胞の分化誘導を行おうとすることである。 我々は、ラット胎児膵の一時期においてcytokeratin-19(CK-19)とInsを共発現する細胞が多数集籏していること見い出し、これら細胞から、レーザー光マイクロ剥離法、differential display法およびsubtraction library/differential hybridization法などを駆使して、CK-19とInsを共発現する細胞に特異的に発現している遺伝子を得た。 その結果、新規遺伝子7種、転写因子または転写調節因子7種、シグナル伝達に関与するとおもわれる遺伝子7種が得られ、それら遺伝子のcoding region全長をcloningした。これら遺伝子の発現をNorthern blotで検討すると、多くは胎児膵で成体膵より強く、また、培養膵β細胞株で培養膵管細胞株より強く発現していた。ついで、これら遺伝子を大腸菌に融合蛋白として発現させた後、家兎に免疫して抗体を得た。その抗体を用いてマウス・ラット膵の免疫染色を行ったところ、これら遺伝子の多くは膵β細胞に特異的に発現していた。これらのことは、我々のクローニング方法が正しかったことを裏付けるとともに、我々の得た遺伝子が膵β細胞の分化、機能に重要な役割を果たしていることを示唆している。 これら遺伝子の作用を検討するため、マウスIns-II遺伝子promoterの2.6kbを1uciferase遺伝子の上流に結合し、これら遺伝子とともにCHO細胞に発現させた。この結果、clone F3H5をはじめとして、数種の遺伝子がインスリン遺伝子を発現させた。その効力は、PDX-1の約1/2であった。 以後は、我々がcloningした遺伝子のなかで、新規転写因子であるZinc finger domainを持った遺伝子を中心に検討した。このZincfinger蛋白の標的遺伝子を検討するため、この遺伝子を膵β細胞に強制発現させ、発現遺伝子の変化をRT-PCRで検討したところ、GLUT-2に発現増強が見られた。現在、このZincfinger蛋白によるGLUT-2発現誘導の機序をLuceferase assayを用いて検討している。 さらに、これら遺伝子を膵特異的転写因子であるPDX-1のpromoterの下流につなぎ、transgenic mouseの作成を試みている。
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