2005 Fiscal Year Annual Research Report
組換え染色体の機能解析とバイオ情報の統合による1型糖尿病遺伝子の同定
Project/Area Number |
17590929
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤澤 智巳 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10324766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 博司 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20221062)
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Keywords | 1型糖尿病 / 遺伝子 / 疾患感受性 / モデル動物 |
Research Abstract |
1型糖尿病の疾患感受性は複数の遺伝因子で規定されている。その複数の遺伝因子の中でも主要組織適合抗原(MHC)領域の遺伝因子は最も強い感受性規定因子であるが、このことはヒトとモデル動物NODマウス感受性で共通である。これまで我々はNODマウスと同一のクラスII MHCを有するCTSマウスのMHC(H-2)をNODマウスの遺伝背景に導入したコンジェニックマウスNOD.CTS-H-2を作出し、この動物では糖尿病の発症が低下することを見出し、クラスII MHC(Idd1)の外側の領域にIdd1とは別の感受性遺伝子Idd16が存在することを報告してきた。凍結胚の胚移植による本系統の立ち上げに引き続き、以下の検討を行った。 平成17年度は (1)戻し交配の過程において見出された組換え染色体(F17とF21)に関して、これらの組み換え染色体をホモで有するサブコンジェニック系統を樹立した。1年間にわたる糖尿病発症のモニターを行い、F17由来の組み換え染色体を有するサブコンジェニックマウスでは糖尿病発症抑制が観察されなかったが、F21由来のサブコンジェニック系統では糖尿病の発症の有意な抑制が観察された。その結果、Iddl6の存在領域がMHG領域の近傍に限局されることを明らかとした。 (2)今回樹立したF21由来のサブコンジェニック系統とオリジナルのコンジェニックマウスNOD.CTS-H-2の糖尿病発症を比較したところ、有意な発症率の違いが観察された。そのためIdd16が複数のコンポーネントからなること、またその別の感受性遺伝子の存在領域として(1)でマップした領域のテロメア側に存在することを見出した。 (3)交配過程で見出された新たなる組み換え染色体(M203)をホモで有するサブコンジェニックの樹立過程にあり、さらにIdd16の存在領域を限局できる可能性を見出した。
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Research Products
(6 results)