2006 Fiscal Year Annual Research Report
組換え染色体の機能解析とバイオ情報の統合による1型糖尿病遺伝子の同定
Project/Area Number |
17590929
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤澤 智巳 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10324766)
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Keywords | 糖尿病 / 遺伝子 / バイオ情報 / 組み換え染色体 / 1型糖尿病 / 疾患感受性 / モデル動物 |
Research Abstract |
1型糖尿病の疾患感受性は複数の遺伝因子で規定されているが、中でも主要組織適合抗原(MHC)領域の遺伝因子が感受性に最も強く影響することはヒトとモデル動物NODマウス共通である。NODマウスと同一のクラスIIMHCを有するCTSマウスのMHC(H-2)をNODマウスの遺伝背景に導入したコンジェニックマウスNOD.CTS-H2では糖尿病発症率が低下することより、クラスIIMHC(Iddl)の外側の領域にIdd1とは別の感受性遺伝子Idd16が存在することを見出してきた。本年度(平成18年度)は以下の検討を行った。 (1)戻し交配の過程で見出された新しい組換え染色体に由来する2系統のサブコンジェニック(NOD.CTS-H2R1およびNOD.CTS-H2R2)の樹立に成功した。そのコロニーの維持およびコンジェニックマッピングのためのヘテロコンジェニックマウスの交配、ならびにこれらのマウスの1年にわたる糖尿病発症スクリーニングを行った。 (2)サブコンジェニックNOD.CTS-H2R1に関してはその糖尿病発症率が同腹仔のNDOタイプのコントロールマウスよりも有意に低下(P=0.005)していた。 (3)しかし、もう1つの系統NOD.CTS-H2R2では同腹仔マウスの比較において、ホモ、ヘテロのコンジェニックのおよびNDOタイプのコントロールマウスの3群間で糖尿病発症に優位差を認めなかった。また、膵ラ氏島の組織学的評価を尾行い、これらの3系統間では、膵ラ氏島炎の程度に違いを認めなかった。 (4)これらの結果より、Idd16の存在領域はクラスIIMHCの外側の領域、1.62+0.24cMの領域にまで限局されることを明らかとした。 (5)さらに新たなる組み換え染色体を見出し(M203)、MHC領域内およびその周辺の遺伝子マーカーのタイピング結果をもとにIdd16の存在領域をより限局できる可能性を見出した。
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Research Products
(6 results)