2007 Fiscal Year Annual Research Report
チアゾリン誘導体による1型糖尿病発症予防に関する基礎・臨床研究
Project/Area Number |
17590931
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
永田 正男 Kobe University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70294220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横野 浩一 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50144580)
森山 啓明 神戸大学, 大学院・医学系研究科, COE研究員 (70372646)
中村 直登 京都府立医科大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40227921)
高橋 和眞 岩手医科大学, 医学部, 講師 (60292215)
川村 智行 大阪市立大学, 大学院・医学係研究科, 助教 (60271186)
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Keywords | 1型糖尿病 / ピオグリタゾン / 樹状細胞 / 緩徐進行型1型糖尿病 |
Research Abstract |
チアゾリン誘導体による1型糖尿病の発症予防法を確立することを目標に、NODマウスとヒト1型糖尿病における治療可能性について研究を行いました。 NODマウスへのピオグリタゾン投与による糖尿病発症機序の解析 T1Dのモデル動物であるNODマウスでは、4週齢あるいは10週齢からのピオグリタゾンの経口投与によりともにT1D発症を抑制すること、免疫調節性細胞活性を活性化することなく、エフェクター活性を低下させることを確認した。また、CD25^+CD4^+細胞の増加は認めなかったが、NKT細胞分画の増加が示唆された。ピオグリタゾン投与群の脾細胞を解析したところ、CD11c陽性樹状細胞の表面マーカーの検討にてCD80の発現増強が認められたこと、NKT細胞分画についてCD1d tetramerを用いた検討でもNKT細胞分画の増加が見られたこと、また、B220陽性細胞分画の減少が認められたことを見出した。ピオグリタゾン投与により活性化された樹状細胞がNKT細胞を刺激し、自己免疫反応を抑制することで1型糖尿病抑制に働く可能性が強く示唆された。自己反応性T細胞への影響の追加実験のため、TCRトランスジェニックマウスを入手して、生体内で増殖が抑制されていることを確認した。 ヒト急性1型糖尿病へのピオグルタゾン投与による膵・細胞破壊阻止の研究 ヒト1型糖尿病における残存膵・細胞機能を評価するため、平18年度中にピオグリタゾン投与を3例の急性発症1型糖尿病患者にインスリン治療に加えて行った。約2年間の経過観察結果では、ピオグリタゾン内服では顕著な血糖改善効果も認められず、内因性インスリン分泌の低下も進行していた。さらには、23ケ月間のピオグルタゾン内服NIDDM患者から、緩徐進行1型糖尿病発症患者を見出した。ヒトには少なくとも常用量でのピオグルタゾン投与で膵β細胞玻壊進行を阻止できないことが明らかであった。
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Research Products
(7 results)