2006 Fiscal Year Annual Research Report
1型糖尿病における主要自己インスリンに対する自己反応性T細胞の研究
Project/Area Number |
17590932
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森山 啓明 神戸大学, 大学院医学系研究科, COE研究員 (70372646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横野 浩一 神戸大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50144580)
永田 正男 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (70294220)
原 賢太 神戸大学, 大学院医学系研究科, COE研究員 (70397826)
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Keywords | 1型糖尿病 / インスリン / 自己免疫 / 自己反応性T細胞 |
Research Abstract |
ふたつのマウスインスリン遺伝子のうち、インスリン2遺伝子を欠損し、インスリン1分子のみを持つインスリン2KO-NOD(non obese diabetic)マウスは膵島に対する自己免疫反応が増強し、糖尿病が促進するが、膵島浸潤細胞にはフローサイトメトリによる解析により多数のCD4陽性T細胞を認めた。またELISPOT法により1型糖尿病のCD4陽性細胞の主要なエピトープと考えられるインスリンB9-23ペプチド、特にインスリン1B:9-23に反応するIFNγ産生細胞が観察された。さらにプロインスリン1及び2組み換えアデノウイルスベクターを作製し、NOD-fibroblastに感染させ、それぞれの分子を発現するNOD-fibroblastを作成した。このNOD-fibrobalstに対する細胞傷害性をIL-2存在下で膵島浸潤細胞から培養したCD8陽性T細胞をeffectorとして検討したところ、プロインスリン1発現NOD-fibroblastがよりプロインスリン2発現NOD-fibroblast傷害を受けやすい傾向を認めた。またインスリンペプチドによる自己免疫糖尿病誘導マウス〔F1(BALB/c xB7.1-B6)〕でもインスリン1:B9-23ペプチドによる誘導がインスリン2:B9-23ペプチド誘導よりもインスリン自己抗体発現と膵島炎が増強し、糖尿病が促進された。さらにインスリンペプチドの経静脈投与によるこのモデルの糖尿病の遅延はそれぞれのペプチドに特異的に認められ、この抑制には膵島炎、インスリン自己抗体産生の抑制を伴っていた。抗インスリンB:9-23抗体IgGのsubsetの変化ではIgG2aの減少を認め、抗原特異的なTh1CD4T細胞の抑制が示唆された。以上の実験結果はいずれもマウスインスリン1分子が1型糖尿病の主要な自己抗原であることを示す結果であった。
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Research Products
(6 results)