2006 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病モデルマウスのQTL解析を用いた内臓脂肪を介した疾患感受性遺伝子の同定
Project/Area Number |
17590936
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森谷 眞紀 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 学術研究員 (50301312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 光夫 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (60134227)
井上 寛 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 助教授 (20294639)
国香 清 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 学術研究員 (30396254)
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Keywords | QTL / Lepr^<db>マウス / 高脂肪食負荷 / 節餌量 / 内蔵脂肪量 / コンジェニックマウス / 疾患感受性遺伝子 / 2型糖尿病 |
Research Abstract |
我々は、以前より、「摂食抑制ホルモン受容体の変異マウス(dbマウス)」を用いる独自の疾患感受性座位(QTL)解析手法を確立し、糖尿病の病態形成に強く作用する染色体座位をマウスゲノム上に14箇所以上(いずれもLod値4.3以上)同定し、さらに、これらの結果から独自に見出した2領域(体重、内臓脂肪重量、インスリン濃度などに強い作用を示す1領域、および体重、内臓脂肪重量、総コレステロール値などに強い作用を示す1領域)について、候補部位のみが一方のマウスの遺伝背景に置換したコンジェニックマウスを作製し、QTL領域の単独効果を検討してきた。本研究では、これらの2つのQTLに対し、特に通常の摂取状態では作用しないが、過食状態になって初めて、肥満、高血糖、トリグリセリドなどの糖尿病の病態に寄与すると考えられる疾患感受性遺伝子を検証することを目的として、db座位をもたない野生型コンジェニックマウスを用いて「高脂肪食負荷で飼育することによって作製される肥満モデルマウスにおいて、2QTLがどのような作用を及ぼすか」を検討した。 本年度の研究期間で以下の知見を得た。 1)コンジェニツクマウスの内、db遺伝子を保持しない個体マウスで、かつQTL領域をdb系統(ドナー)由来の配列をホモで有する個体と、糖尿病非発症マウス(レシピエント)系統由来の配列をホモで有するマウス(対照マウス)を選抜し、高脂肪食負荷状態で20週齢まで飼育、両群について隔週ごとに体重測定を行い、最終採材時には、内臓脂肪重量、トリグリセリドなどのデータを採取した。2回による解析の結果、1領域のコンジェニックマウスでは、雌雄共に体重、脂肪重量、肝臓重量が対照マウスより著明に増加、空腹時血糖値やインスリン値の有意な上昇などについて、再現性を認めた。即ち、候補領域を保持することのみで確実に肥満などの病態形成に寄与することを実証した。 2)高脂肪食負荷時の体重増加に影響を与える候補領域として、6サブコンジェニックマウスラインを用いた解析により約8Mbの領域を特定した。現在、45週齢迄の経時的体重変化を観察するとともに、サブコンジェニックマウスラインを用いて、高脂肪食負荷時の体重に影響を与える領域をさらに特定中である。
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Research Products
(6 results)