2006 Fiscal Year Annual Research Report
インスリンB鎖ペプチドワクチンによる、新しい1型糖尿病発症抑制・寛解療法の開発
Project/Area Number |
17590940
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
阿比留 教生 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00380981)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 慶子 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (80380872)
|
Keywords | 1型糖尿病 / インスリン / インスリンペプチド / 粘膜免疫 / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
1、1型糖尿病の主要抗原である,インスリンB鎖(B:9-23)関連ペプチドを用いた粘膜投与(経鼻、経口)による糖尿病発症抑制法の開発を目的とし,以下の基礎的検討を行った。 2、(1)経鼻免疫では,4種類のペプチド「B:9-23p, B:11-23p, B:9-21p, B16,19A-APL(アナログ)」とコレラトキシン(CT)の混合液を若年NODマウスに経鼻投与し,自己抗体発現,膵島炎,糖尿病進展への影響を検討した。 (2)経口免疫では,B16,19A-APLとコレラトキシンの毒性欠損したBサブユニット(CTB)の融合蛋白を細胞内発現型と細胞表面発現型の2種類の酵母を作製し経口投与による糖尿病進展への影響を検討した。 3、(1)経鼻免疫では、4種類のペプチドの中で、B:9-21p/CT, B16,19A-APL/CTは、インスリン反応性細胞障害性T細胞を活性化しなかった。B:9-21P/CT, B16,19A-APL/CT経鼻投与にて良好な発症抑制効果を認めた。特に、B16,19-APL/CT投与はインスリン自己抗体発現および膵島炎進展を強力に抑制し,糖尿病発症直後マウスの投与の結果,高頻度(67%)に,糖尿病寛解効果を認めた。(論文投稿中) (2)経口免疫では、細胞内発現型酵母では、CTB-A16,19APLペプチドが、細胞表面発現型酵母では、B:9-23ペプチドが糖尿病発症抑制傾向を示した。インスリン自己抗体産生には、影響を与えなかった。(論文準備中) 4、経鼻免疫による1型糖尿病発症抑制効果のためには、細胞障害性T細胞の反応性が低くかつ制御性T細胞が誘導可能な、ペプチドの選択が重要であることが示唆された(論文投稿中)。経口免疫による、有意な発症抑制効果を得るためには、発現宿主,蛋白発現量等の検討を加え,より発症抑制効果の高い治療法の開発が必要である。
|