2007 Fiscal Year Annual Research Report
インスリンB鎖ペプチドワクチンによる、新しい1型糖尿病の発症抑制・寛解療法の開発
Project/Area Number |
17590940
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
阿比留 教生 Nagasaki University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (00380981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 慶子 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (80380872)
佐藤 剛 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (70437896)
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Keywords | 1型糖尿病 / インスリン / インスリンペプチド / 粘膜免疫 / 制御性T細胞 / 自然免疫 |
Research Abstract |
1)インスリンペプチドワクチンによる糖尿病発症抑制機序の解析 【目的】1型糖尿病に対するインスリンB鎖ペプチドワクチンによる発症抑制機序の解析した。【結果】今回は、Foxp3^+CD4^+CD25^+制御性T細胞の関与を検討するため、NODマウスにインスリンB鎖ペプチドとTLR3 ligandであるpoly I:Cを併用投与し、膵島浸潤する制御性T細胞を検討した。結果、膵島炎は重症化し、Foxp3^+細胞の頻度が有意に増加し、その後の糖尿病発症は抑制されていた。次に、抗CD25抗体(PC61)を前投与し制御性T細胞を除去した上で、B鎖ペプチドとpoly I:Cを併用投与した結果、発症抑制効果は消失し、投与後2週間という超早期からの糖尿病発症を認めた。【結論】以上より、インスリンB鎖ペプチド投与による発症抑制には、膵島内に浸潤するCD4制御性T細胞が重要な役割をはたしていることを明らかにした。以上は、Fukushima, et. al.Biochem Biophys Res Commun.367:719-724 2008に報告した。 2)インスリンB鎖ペプチド経鼻投与による糖尿病発症抑制 【目的】1型糖尿病において、インスリンB鎖ペプチドの経鼻免疫による、発症抑制効果を検討した。【結果】B鎖9番目から23番目のアミノ酸のペプチドを改変し、細胞傷害性T細胞の増殖能を消失させたペプチドアナログを用いて、コレラトキシンを粘膜アジュバントにNODマウスへの経鼻免疫を行った結果、糖尿病発症を有意に抑制した。特に、16番目と19番目をAlaに置換したB16、19A-APLでは、インスリン自己抗体発現および膵島炎進展を強力に抑制し、糖尿病発症直後マウスの投与により、高頻度(67%)に、糖尿病寛解効果を認めた。以上は、M Kobayashi, et. al.J Immunol.179:2082-2088 2007に報告した。
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Research Products
(6 results)