2008 Fiscal Year Annual Research Report
インスリンB鎖ペプチドワクチンによる、新しい1型糖尿病発症抑制・寛解療法の開発
Project/Area Number |
17590940
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
阿比留 教生 Nagasaki University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (00380981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 剛 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (70437896)
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Keywords | 1型糖尿病 / インスリン / インスリンペプチド / 粘膜免疫 / 制御性T細胞 / 自然免疫 / poly I:C |
Research Abstract |
poly I:Cを用いたインスリンB鎖ペプチド経鼻投与による糖尿病発症抑制 我々は、NODマウスにインスリンB鎖ペプチドとTLR3ligandであるpoly I:Cを併用投与し、膵島内のFoxp3+制御性細胞の頻度が増加し、その結果、強力に糖尿病発症を抑制することを確認した(Fukushima et al. Biochem Biophys Res Commun.367:719-724 2008)。また、コレラトキシンを粘膜アジュバントに用いて、改変インスリンB鎖ペプチドを経鼻的に投与することにより、糖尿病発症の有意な抑制、インスリン自己抗体発現および膵島炎進展の抑制,ならびに、糖尿病発症直後マウスの投与による糖尿病寛解効果をJ Immunol.179:2082-2088 2007に報告した。 今回、コレラトキシンに比べ安全性が高く、ヒトへの臨床応用が期待されるpoly I:Cを経鼻からの粘膜アジュバントに用い、インスリンB鎖ペプチドの経鼻免疫による、糖尿病発症抑制効果を検討した。インスリンB鎖9-23ペプチドとpoly I:Cとの混合液を作製し、経鼻投与することで、ペプチド抗体が誘導され、poly I:Cの粘膜アジュバントとしての有効性を確認した。さらに、12週齢の雌性NODマウスに、B:9-23ペプチドを、単回皮下投与し、その後、B:9-23ペプチドとpoly I:Cの混合液を週に2回経鼻投与を行った。現在、20週齢まで観察中であるが、有意な糖尿病発症抑制効果を認めている。 poly I:Cを用いたインスリンB鎖ペプチドの経鼻投与は、皮下投与等との併用により、ヒト1型糖尿病発症阻止治療に応用可能な、安全で生理的な治療法につながる可能性がある。
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Research Products
(6 results)