2006 Fiscal Year Annual Research Report
Ca/CaM依存性プロテインキナーゼIIによる膵β細胞機能の調節
Project/Area Number |
17590942
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Research Institution | KUMAMOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
水流添 覚 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (50398202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮村 信博 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (40274716)
西田 健朗 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (50336244)
豊永 哲至 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 講師 (60295128)
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Keywords | 膵β細胞 / インスリン分泌 / CaMキナーゼII |
Research Abstract |
カルシウム(Ca)、カルモデュリン(CaM)依存性プロテインキナーゼIIδ2(CaMキナーゼIIδ2)は膵β細胞の調節性インスリン分泌に重要な役割を担う。肥満やインスリン抵抗性状態による代償性インスリン分泌亢進はCa/CaM系の慢性的活性化をもたらすが、これが転写制御や細胞増殖を含めた膵β細胞機能に及ぼす影響は不明である。本研究は恒常活性型CaMキナーゼIIδ2発現系を構築し、培養膵β細胞株に導入することで、インスリン合成・分泌応答、細胞増殖とCaMキナーゼIIδ2の連関を解明することを目的とする。 インスリン遺伝子の転写調節において、PKA及びCaMキナーゼIVによるCREBリン酸化は転写促進作用を持つことが報告されており、一方、CaMキナーゼIIによるCREBリン酸化は転写阻害作用を持つことが報告されている。 昨年度得た(1)活性型変異体CaMキナーゼIIδ2-act(2)非活性型変異体CaMキナーゼIIδ2-kdアデノウイルスと、CaMキナーゼIIの内在性阻害ペプチドCaM-KIINαおよびβ(ラット由来)アデノウイルスは、現在安定して実験使用可能なタイターまで増加させるべく増幅中である。また、インスリン遺伝子転写に対するCaMキナーゼIIの影響を検討するため、CaMキナーゼIIδ2のWT優位発現型変異体、活性型変異体、非活性型変異体をヒトインスリン(human insulin ; HI)プロモーター領域2235bpを導入したLuciferase発現ベクターpGL3-HIとともに脂質膜透過性担体によりMIN6細胞へ導入し、Luciferase assayにより転写活性を検討した。その結果、WT優位発現型変異体、活性型変異体を強制発現すると転写活性が20%程度に減少し、非活性型変異体を強制発現すると150%以上の転写活性に上昇することが示された。このことは、膵β細胞においてCaMキナーゼIIδ2がインスリン遺伝子の転写を負に調節していることを示している。今後、ウィルスによるの膵β細胞株への導入も含めて、さらに細胞機能解析を進行する予定である。
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