2005 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン刺激伝達系増強因子としてのカベオリンと糖代謝異常治療への応用
Project/Area Number |
17590943
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
戸谷 義幸 横浜市立大学, 附属病院, 準教授 (30237143)
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Keywords | インスリン / インスリン感受性 / インスリン抵抗性 / カベオリン / グリコーゲン / 糖尿病 / ノックアウトマウス / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
当研究の目標は、インスリンシグナル増強因子であることを我々が初めて発見した3型(筋型)カベオリンを、耐糖能異常の治療に応用することである。蛋白、細胞レベルで3型カベオリンがインスリンシグナル増大作用を持つこと、当遺伝子のノックアウトマウスが、骨格筋におけるインスリンシグナル伝達系の異常から、耐糖能異常と脂質代謝異常を示すことはすでに報告済みである(J Biol Chem 273:1998)(Proc Natl Acad Sci 101:2004)。さらに、3型カベオリンが元来発現していない肝細胞へのadenovirusを用いた遺伝子導入により,インスリン感受性が飛躍的に増幅すること、高脂肪食による高血糖マウスの肝臓へadenovirusを用いて当遺伝子を導入すると、耐糖能異常と脂質異常が改善することを見いだしており,3型カベオリンがインスリンシグナルを増幅させるメカニズムを検討した. インスリン感受性が低下している糖尿病モデル動物(高脂肪食による高血糖マウスや3型カベオリンノックアウトマウス)では,肝臓へのカベオリンの強制発現により,インスリン受容体の自己リン酸化,インスリン受容体基質のチロシンリン酸化および,伝達系下流のシグナルが増加し,グリコーゲン合成が増大した.肝臓における糖取り込みは増加し,インスリン負荷試験や糖負荷試験では,インスリン感受性増加による高血糖の著明な改善がみられた.しかし,ストレプトゾトシン投与によるインスリン分泌不全型のマウスや正常マウスには,上記のような遺伝子導入の効果がなく,3型カベオリン自体がインスリン作用を示すのではなく,低下したインスリン感受性を改善させる作用があることが証明された.耐糖能異常の発症自体にもカベオリンの機能異常や発現量低下が関与している可能性もあり,さらに詳細なメカニズムについて研究中である.
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Research Products
(2 results)