2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590945
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
堂前 純子 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (70227700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 信治 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (10142192)
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Keywords | HDL / ABCA1 / ABCA7 / コレステロール |
Research Abstract |
1)HDL新生反応は、Lipid-freeのアポリポタンパク質と細胞脂質から新たなHDL粒子の形成される細胞生物学的な現象である。昨年度までの研究により、ABCA1を介したHDL新生反応とABCA7を介したHDL新生反応にはいくつかの相違点(コレステロールとリン脂質の比や薬物への反応性、HDL粒子の組成等)が示されていたが、電子顕微鏡像には粒子径のわずかな差が認められるのみであった。 2)Serum amyloid A(SM)は急性期反応物質の一つで、感染時等には急激な血中濃度上昇が認められるが、その生理的機能は不明である。SMはすべての脊椎動物でよく保存されており、侵襲刺激によって誘導される点も種を越えて共通であることから、生体防御機構の基本的かつ重要な役割を担うものと想像されている。哺乳類のSMはHDLのアポリポタンパク質として存在するが、その形成機序は不明である。各種培養細胞のSMに対する反応を調べ、SMもアポリポタンパク質A-1(アポA-I)と同様に、細胞脂質を引き抜いてHDLを形成すること、SM依存性HDL新生反応は、ABCA1/ABCA7の関与するアポA-I依存性HDL新生反応と同じ機構で生じること、SM含有HDLとアポA-I含有HDLの物理化学的性質は異なること等を示した。さらに、ABCA1ノックアウトマウスではLPS投与時に血中S飴濃度の上昇しないことも明らかにした。 3)ABCA7がSREBP2の支配下にあることを発見し、細胞コレステロールレベルの変動に対してABCA1とは逆方向の発現制御を受けることを証明した。しかも、線維芽細胞のABCA7発現レベルはラテックスビーズ食食に伴って上昇し、ABCA7の強制発現/発現抑制により貧食能も増強/減弱するという、positive feedback loopを形成していることも見出した。
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