2007 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子アブレーションと分子介入による膵島傷害の抑制と再生の促進
Project/Area Number |
17590948
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐々木 敬 Jikei University School of Medicine, 医学部, 教授 (90205849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 昌実 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (10281396)
藤本 啓 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (40372974)
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Keywords | 再生医療 / 細胞周期 / 遺伝子治療 / インスリン / サイクリン / サイクリン依存性キナーゼ / 膵内分泌 / アデノ随伴ウイルス |
Research Abstract |
マウス膵β細胞の細胞周期に関わるcychn-dependant kinase4遺伝子(以下CDK4)の非抑制型変異体CDK4^<R24C>cDNA(以下R24C)をSTZ誘発糖尿病マウス膵島へ導入し、in vivo膵β細胞増殖と耐糖能の改善を研究目的とした。STZ誘発糖尿病は新生時期マウスにSTZ(75mg/kg)を皮下注射し作成した。生後10Wにランダム化を行い、CMVプロモーター下にhrGFPのみを発現するベクターによる処置(Mocktreated)、あるいはR24Cを発現するベクターによる遺伝子治療(R24Ctreated)を行った。遺伝子導入後16Wにパラフィン包埋薄切標本を作成し膵の解剖学的組織構築の変化を評価した。β細胞量変化は膵内のβ細胞面積の総和total islet areaおよびbeta cell massにより評価した。R24C治療マウスではβ細胞核に移行した活1生型CDK4を多数認めたが、Mockではほぼ細胞質にのみ非活性型が観察された。膵島内部にはmock treatedではほとんど見られないInsuhn(+),Glucagon(-),BrdU(+),PCNA(+)の増殖期にあるインスリン産生細胞を多数認めた。これらの増殖細胞はMafA(+)、MafB(-)で成熟したβ細胞であった。観察したすべての組織で腫瘍性の変化は一つも認めなかった。total islet areaおよび個々のbeta cell massはR24C治療群がMock群に比し2.5倍となり有意な増大を認めた。IPGTTでは負荷後有意に血糖が低値で耐糖能の改善を示した。AAV8を用いて細胞周期調節因子CDK4^<R24C>遺伝子を糖尿病マウスの膵島細胞に導入し得た。さらに個体の生理的な再生刺激下においてR24C治療群の膵β細胞数は増加し、これに基づく耐糖能の改善をも認めた。
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