2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590951
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
大久保 実 (財)冲中記念成人病研究所, 研究員 (60241238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荏原 徹 (財)冲中記念成人病研究所, 研究員 (40307004)
村勢 敏郎 (財)冲中記念成人病研究所, 研究員 (60107612)
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Keywords | 遺伝学 / 内科 / 脂質 / メタボリック・シンドローム / LRP5 |
Research Abstract |
代謝症候群(メタボリック・シンドローム)は、内臓肥満とそれに伴うインスリン抵抗性を基礎に、高血圧症、糖代謝異常、脂質代謝異常を来たし、虚血性心疾患を代表とする動脈硬化性疾患を合併する病態である。代謝症候群は、その発症に複数の原因が関与する多因子病であると考えられる。その中の一つとして、私どもは低比重リポ蛋白受容体関連蛋白5(Lowdensity lipoprotein receptorrelated protein5:略号LRP5)に注目している。私どもが見出したヒトLRP5の遺伝子多型の頻度を代謝症候群患者と健常対照で比較して、LRP5が代謝症候群に関与しているかを検討中である。 【方法と現在までの結果】 ヒトLRP5伝子の6箇所の一塩基多型(SNPs)[Q89R(a/g),N740N(c/t),IVS10+6(t/c),V1119V(a/g),IVS17-30(g/a),A1330V(c/t)]のallele頻度を代謝症候群(n=74)と健常対照群(n=172)とで比較した。 IVS17-30多型g/aはminoralleleであるaが代謝症候群で有意に増加していた。一方、アミノ酸置換を伴うQ89RとA1330Vには有意な差は認められなかった。また、その他の多型にも差は認めなかった。 IVS17-30多型につき、gg群とag+aa群に分けて、TC, TG, HDL-C, BMIを比較したが、有意な差は認めなかった。 代謝症候群と対照の間に、ヒトLEP5遺伝子のSNPsのうちIVS17-30g/a多型で差を認めた。これが代謝症候群の発症・進展に直接関与しているのか、あるいは連鎖不均衡にある別のLRP5変異による間接的な影響か、さらに検討を続けている。
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