2005 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌細胞に発現する非選択性陽イオンチャネルの機能と生物学的意義
Project/Area Number |
17590954
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高野 幸路 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20236243)
|
Keywords | 下垂体前葉細胞 / 電気生理 / チャネル / 陽イオンチャネル / 副腎皮質細胞 / ghrelin / adrenomedullin / ACTH |
Research Abstract |
ヒト下垂体前葉細胞で発現しているTRP-VチャネルファミリーとTRPCチャネルファミリーの発現をPCRで確認し、TRPV1とV2、TRPC1〜6の発現を確認した。ヒトGH産生下垂体細胞においては、TRPV2チャネルがIGF-1による細胞内カルシウム上昇を担っていることをmorpholino antisense法を用いた実験と電気生理実験で確認したが、下垂体に強く発現しているbFGFによっても同様の非選択性陽イオンチャネルが活性化されることを見出した。このチャネルもTRPV2であることが強く示唆され、ヒトGH産生下垂体腺腫細胞の約半数には、truncated formでconstitutiveに活性化しているFGFR4受容体(ptd-FGFR4)が発現していることを確認したが、ptd-FGFR4の発現と腫瘍の海綿静脈洞浸潤に相関があった。また、すべての下垂体腺腫を調べると、海綿静脈洞浸潤に加え腫瘍の大きさも大きい事が明らかになった。そこで、bFGFによる非選択性陽イオンチャネルの活性化の刺激伝達経路であるPI3kinaseの抑制薬を投与すると、ptd-FGFR4の発現している腺腫で非選択性陽イオンチャネルの抑制が生じ、ptd-FGFR4の発現してない腺腫では非選択性陽イオンチャネルの抑制が生じないことが明らかになった。このことはconstitutiveに活性化しているFGFR4受容体によって非選択性陽イオンチャネルが恒常的に活性化していて、腫瘍細胞の増殖に関与していることを示唆して興味深い。現在、この機構を解明中である。ラット副束球状層細胞の初代培養細胞で、ACTHにより非選択性陽イオンチャネルが活性化されること、またこの活性化がPKA pathwayを介していることを明らかにできた。
|
Research Products
(7 results)