2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析とHPLCによる新規インスリン分泌機構とその生理的意義の解明
Project/Area Number |
17590956
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
駒津 光久 信州大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90221978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鏑木 康志 国立国際医療センター, 代謝疾患研究部, 室長 (40342927)
野田 光彦 財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員 (90237850)
相澤 徹 信州大学, 健康安全センター, 教授 (90150896)
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Keywords | 糖尿病 / インスリン分泌 / パルミチン化 |
Research Abstract |
17年度の計画の中心は「ブドウ糖刺激によりパルミチン化が制御されている蛋白の同定」であった。最初にインスリン分泌細胞株(INS細胞)においてすでに我々が見いだしたスポットのうち特異的と判断した2つについて解析を進めた。これらのスポットを切り出し、それぞれのスポットを構成する蛋白の質量分析をおこないアミノ酸配列を決定した。それぞれ既存の細胞内骨格に関与する蛋白であることが明らかとなった。その後、これら蛋白の機能解析に移行した。2つの蛋白のうち一つはすでに抗体やRNAiが購入可能であったためその解析をおこなった。INS細胞や、正常膵β細胞での発現はウエスタンブロットにて確認した。RNAiを用いてINS細胞のこの蛋白の発現レベルを約50%低下させることに成功した。しかし、それらの細胞からのインスリン分泌を検討してもいまのところ明らかな差がなく、この蛋白の生理的機能を示唆するデータは得られていない。約50%の低下ではその機能低下に結びつかないのかもしれない。今後は、もう一つの蛋白でも同様な解析をおこなう予定である。ただちに取りかかることは難しいが、膵β細胞特異的にこれらの蛋白をノックアウトまたは、過剰発現させたマウスを作製し、その表現系の検討は将来的に有用なアプローチと考えている。本年度のもう一つの課題のHPLCシステムの確立は現在のところまだ緒に就いたところである。 本研究課題の「インスリン分泌機構におけるパルミチン化」の重要性を模索する中で、偶然、分枝鎖アミノ酸がインスリン分泌を刺激し、かつインスリン抵抗性を改善し糖尿病状態を改善する作用のあることを動物実験レベルで明らかにできた。今後は、アミノ酸特に分枝鎖アミノ酸のインスリン分泌に対する効果もあわせて検討していきたい。
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