2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析とHPLCによる新規インスリン分泌機構とその生理的意義の解明
Project/Area Number |
17590956
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
駒津 光久 信州大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90221978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鏑木 康志 国立国際医療センター, 代謝疾患研究部, 室長 (40342927)
野田 光彦 財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員 (90237850)
相澤 徹 信州大学, 医学教育センター, 教授 (90150896)
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Keywords | 糖尿病 / プロテオーム |
Research Abstract |
本研究申請前の段階で、ラット膵β細胞を用いて、ブドウ糖によりパルミチン化の状態が変化する複数の蛋白を[^3H]にて放射性ラベルすることに成功している。これらの蛋白を実際に同定することを目標に研究をすすめている。現在まで、鏑木康志室長との共同研究で、インスリン分泌細胞株(INS-1細胞)において、パルミチン化の選択的阻害剤であるセルレニンにより特異的に変動する蛋白スポットをプロテオーム解析により二つ確認している。本年度は、これらのスポットを切り出し、質量分析を行いアミノ酸配列を決定し、2つのタンパク質を同定することに成功した。これらの蛋白は、いづれも細胞内骨格と関連の有る蛋白であった。mRNAのノックダウンあるいは過剰発現などでこれらの蛋白の増減と膵β細胞株からのインスリン分泌を探索したところ、これら新たに同定した蛋白のインスリン分泌作用における重要性を示唆する結果が得られた。しかし、生理的なブドウ糖によるインスリン分泌機構との関連はまだ明らかではない。また、これらの研究過程で、分鎖枝アミノ酸がインスリン分泌を制御するメカニズムや、末梢でのインスリン作用を改善する事実が判明した。これらの観点からもin vitroおよびin vivoの実験をおこなった。
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