2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規マウスモデルを用いたバセドウ病の病態解明と治療への応用
Project/Area Number |
17590965
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
永山 雄二 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (30274632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 巨樹 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (60380961)
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Keywords | 自己免疫 / バセドウ病 / 甲状腺刺激ホルモン受容体 / サイトカイン / アデノウイルス / 甲状腺 |
Research Abstract |
(1)マウスFasL cDNAをマウス脾細胞RNAからRT-PCRでクローニングし、塩基配列を確認後、アデノウイルスベクターに挿入し、FasLを発現する組換えアデノウイルスを作成した。COS細胞に感染させてFasLの発現をFACSで確認した。マウスの骨髄細胞からGMCSFとIL-4で調整した樹状細胞に、以前作成したTSH受容体発現アデノウイルスと共にこのFasL発現アデノウイルスを感染させ、TSH受容体発現アデノウイルス筋注によりTSH受容体蛋白に感作されたマウスに投与したところ、脾細胞のTSH受容体蛋白に対する反応(IFN-gamma分泌を指標とした)が有意に低下した。さらにこの操作を2回繰り返すと、バセドウ病の発症も有意に抑制された。これにより、FasL発現樹状細胞による抗原特異的免疫反応抑制が可能であることが示された。 (2)TSH受容体発現アデノウイルスで免疫したBALB/cマウスの脾細胞は、3つのペプチド(アミノ酸52-71、67-86、157-176)に特異的に反応することが以前の実験で明らかにされている。そこでどのペプチドが最も病因に関与しているのかを検討するため、上記の方法で免疫したBALB/cマウスの脾細胞から各ペプチド特異的なT細胞株・クローンの樹立を試みた。現在、全てのペプチドに特異的な細胞株・クローンが増殖中であり、今後サイトカイン分泌能・疾患誘導能・T細胞受容体アミノ酸配列などを検討していく予定である。
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