2005 Fiscal Year Annual Research Report
臍帯血移植後の免疫動態に基づいたウイルス特異的細胞性免疫療法の開発
Project/Area Number |
17590981
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 聡 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60226834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 和則 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (60233780)
渡辺 信和 東京大学, 医科学研究所, 特任助手 (10334278)
東條 有伸 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00211681)
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Keywords | 臍帯血移植 / 免疫再構築 / エフェクター / メモリー / ナイーブ / サイトメガロウイルス / CD40L / アデノウイルスベクター |
Research Abstract |
これまで我々は臍帯血移植後患者の末梢血における細胞性免疫の回復についての動的解析を行い、移植後のエフェクター/メモリー機能の回復パターンは各移植後患者間で一様ではないが、多くの場合は移植後早期の段階で、ナイーブ型からセントラルメモリーTリンパ球に分化することを明らかにした。さらに、移植後のレシピエント体内でのリンパ球回復過程において、抗原刺激に関してはナイーブである臍帯血由来T細胞が、CMV抗原血症陽性患者では100%の患者で移植後早期に、サイトメガロウイルス抗原刺激に反応性を有するCD4陽性ヘルパーT細胞が出現し、さらにこれらの中でCD8陽性Tリンパ球を認めた患者は25%であった。サイトメガロウイルス・テトラマー陽性細胞について免疫成熟度を解析すると、CBT移植後患者でも正常人と同様で、70-80%はエフェクター・メモリー表現型を示した。これらのサイトメガロウイルス抗原血症陽性患者は、いずれも免疫抑制剤の投与期間中であったにもかかわらず、GVHDを合併してサイトメガロウイルス脳炎を発症した1例をのぞいて、重篤なサイトメガロウイルス感染症に移行することはなかった。我々は、さらにヒトCD40L遺伝子を組み込んだファイバー変換型アデノウイルスベクターを作成し、ヒトの各種抗原提示細胞への導入効率、および遺伝子導入細胞による抗原提示機能の上昇について検討を進めており、特異抗原に関する免疫賦活法の開発に取り組む予定である。
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