2007 Fiscal Year Annual Research Report
高度肥満マウスを用いた抗酸化物質による血栓予防効果の解析
Project/Area Number |
17590988
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
井原 勇人 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 助教 (00223298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦野 哲盟 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50193967)
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Keywords | 肥満 / レジスチン / PAI-1 / レスベラトロール / 血栓予防 |
Research Abstract |
今年度は,マウス個体を用いた解析とDNAマイクロアレイを用いたレスベラトロール処理により発現抑制、増強される遺伝子の網羅的解析を中心に行った。 1.レスベラトロール長期(2週間)投与による血中レジスチン値及びPAI-1値に与える影響 前年度は,肥満マウスに短時間投与を行なったが,今年度は肥満マウスにレジスチンを50mg/kgbody weightの濃度で2週間腹腔内投与を行なった。前年度の培養細胞を用いた結果から予想した通り,血中レジスチン濃度はレスベラトロール投与により有意に減少した。驚いた事に血中PAI-1値は,逆に増加していた。培養脂肪細胞を用いた解析でもレスベラトロール処理によりPAI-1遺伝子発現がコントロールに比べ2倍程度上昇した事から,生体内でも発現上昇している可能性が考えられた。また,あるいは肥満マウスは感染に弱く,PAI-1遺伝子発現は炎症で著しく誘導を受けることから,毎日の腹腔内投与時における出血や腸内細菌による感染があったことが発現上昇の原因の1つと推察された。 DNAマイクロアレイによる発現抑制、増強される遺伝子の網羅的解析 レスベラトロール処理をした培養脂肪細胞3T3-L1細胞のRNAを用いて,DNAマイクロアレイ解析を行なった。コントロール細胞のものと比べ,2倍以上発現誘導のあった遺伝子は1982遺伝子,0.5倍以下に発現抑制を受けた遺伝子は1836遺伝子であった。発現抑制した遺伝子には,レジスチン遺伝子を始め,PPAR-γ,C/EBP-α等の脂肪細胞分化に関わる転写因子遺伝子や45個の細胞外基質遺伝子等が認められ、反対に増加したものでは,11個のアポトーシス関連遺伝子や7個のタンパク分解に関わる因子等が確認された。現在これらの遺伝子についてもリアルタイムPCR法による確認と,その生理学的意義について解析している。
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