2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトB細胞のマクロファージへのLineage転換:ホジキンリンパ腫の病態との関連
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17590993
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
片山 直之 三重大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20185812)
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Keywords | NotchリガンドDelta-1 / GM-CSF / TGF-β1 / 単球 / Langerhans細胞 / 遺伝子プロファイル / 皮膚環境 / 抗原提示細胞 |
Research Abstract |
我々はヒト末梢血単球を皮膚環境で産生されるサイトカインであるGM-CSF、TGF-β1、Notch ligand Delta-1(Delta-1)存在下で培養すると、それらは皮膚表皮に存在する抗原提示細胞であるLangerhans細胞へ分化することを報告してきた。GM-CSFとIL-3の受容体はそれぞれに特異的なα鎖と共通のβ鎖があり、その刺激はβ鎖を介して細胞内に伝達されると考えられている。そこで、末梢血単球からLangerhans細胞への分化におけるIL-3の作用についてGM-CSFと比較検討した。まず、ヒト末梢血単球表面におけるIL-3受容体α鎖(IL-3Rα)とGM-CSF受容体α鎖(GM-CSFRα)の発現について検討したところ、IL-3Rαの発現レベルが若干低いものの、IL-3RαとGM-CSFRαはともに単球に発現されていた。GM-CSF+TGF-β1+Delta-1存在下での培養とは対照的に、IL-3+TGF-β1+Delta-1存在下では、単球はLangerhans細胞へ分化しなかった。GM-CSF+TGF-β1+Delta-1存在下で培養した細胞とIL-3+TGF-β1+Delta-1存在下で培養した細胞の遺伝子発現をmicroarrayにて検討したところ、IL-3+TGF-β1+Delta-1存在下で培養された細胞と比べ、GM-CSF+TGF-β1+Delta-1存在下で培養した細胞に特異的に発現している遺伝子にE-cadherinとLangerinの遺伝子が含まれていた。これらの結果は、ヒト末梢血単球からLangerhans細胞への分化におけるGM-CSFに特異的なシグナルの必要性を示唆しており、細胞分化における組織環境の重要性を指摘している。
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