2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590996
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴山 浩彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60346202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
松村 到 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00294083)
水木 満佐央 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (80283761)
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Keywords | 抗アポトーシス / アナモルシン / Yeast-two-hybrid法 / PICOT |
Research Abstract |
我々がクローニングした新規の抗アポトーシス分子アナモルシンは、既知のアポトーシス関連分子とは一切、相同性を示さず、これまでのところその作用機序に関しては不明であった。本研究では、アナモルシンの作用点を明らかにする目的にて、アナモルシンと結合する分子をYeast-two-hybrid法を用いてクローニングした。マウスのアナモルシン全長をベイトとして、アナモルシンを高発現している臓器である精巣から作製したcDNAライブラリーを用いて、アナモルシンと結合する蛋白をコードする遺伝子のスクリーニングをおこなった。 その結果、PICOT(thioredoxin-like2)という分子が有意にクローニングされた。PICOTは、PKCθと結合する分子としてクローニングされた分子で、チオレドキシンにホモロジーをもつことが知られているが、アポトーシスに及ぼす影響の詳細については解析がなされていない。タグ付きのPICOTをマウス造血細胞株Ba/F3細胞に発現させ、タグの抗体で免疫沈降を行い抗アナモルシン抗体によりウェスタンブロットを行ったところ、PICOTとアナモルシンはBa/F3細胞内においても結合していることが確認された。PICOTの発現、機能を詳細に検討するためには、抗PICOT抗体が必要であるが、現在まで、入手可能な抗体がないため、我々は、PICOTに対する単クローン抗体を作製した。さらに、deletion mutantのアナモルシンとPICOTを用いて検討したところ、アナモルシンとPICOTは、それぞれ、アナモルシンのN末端側の11-180アミノ酸とPICOTのN末端側の18-117アミノ酸において結合していることが明らかとなった。PICOTはPKCθに結合し、その活性を抑制することで、細胞増殖・生存に関係していると考えられていることから、アナモルシンは、PICOTと結合することでPICOTの機能を修飾し、ひいてはPKCθの活性を調節する可能性が考えられた。
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